菩薩

河の菩薩のレビュー・感想・評価

(1951年製作の映画)
3.7
この作品の運命論だとかインドの死生観だとか悠久のガンジスの流れだとかは全てルノワールその人自身なのだろうし、言ってる事ほぼ美空ひばりで中の人お嬢説ある。件の白人青年が何故あそこまでモテモテちゃんなのかは一切分からない(×8億)のだが、ここでも戦争に向ける冷徹な目線であったり死を解放として受け入れているらしさが目立つ。お嬢ちゃん達が大尉に夢中な一方で末っ子のおちびちゃんはコブラに夢中、予想され得る最悪の結末、門の中に運び込まれる小さ過ぎる棺に心が痛むが、彼は大人に汚される事も無く逝ったのだと言うのもまた一つの真実である。ただやはり子供は脆い存在なのであり、そんな子供を大人は守ってやらねばならない、その中間に位置する揺れ動く乙女の心が人生を見つめていく。インドの諸々の風景は画として非常に強いし、クリシュナ&ラーダ舞踏のとこ猛烈に良い。ただルノワールの女性観の部分がちょっとおっさんだなぁと、そこがヤケに引っかかってしまう。
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