てっちゃん

悪魔の植物人間のてっちゃんのレビュー・感想・評価

悪魔の植物人間(1973年製作の映画)
3.9
変な映画、二本目です。

タイトルからして、間違いないことを感じとることができ、観てみたら大好物な作品でしたのでほくほく顔でレビューです。

ん!見たことあるぞ!先回観た”荒野の千鳥足(こちらもタイトルで間違いないやつですね)”で、強烈な酒酔いろくでなし医者を演じていたドナルド・プレザンスさんが、本作でも熱演されております。
今回はマッドサイエンティスト!
こちらでも強烈な個性と狂気と臭気を放っておりインパクト大ありですね。

さて本作は、いきなり度胆を抜かれる理科の授業にもってこいの教材と言わんばかりの映像が映し出されます。
しかも高速映像やズームを使った撮影と凝りに凝っている感じ。
そういや自分も小学校の頃に、食虫植物に興味持って図鑑調べたりしてたなとふと思い出すエモーショナルもあったりしました。

何気に気に入ったのは、博士の施術室がかわいいところ。
色彩にせよデザインにせよメタリックなんだけどかわいい。
手作り感溢れる博士ご自慢の植物たち。
この子たちがまさしく"きもかわいい"!
なんでそんな動きするんだよ、なんでそんないちいちかわいい反応するんだよと植物愛でる作品でもあります。

そんな見た目だけではなく、本作は物語としてもなかなかにつくられているのが特徴。
こういう系のやつって、見た目だけにこだわって中身は空っぽみたいな作品が多いと思うんだけど、本作は物語がしっかりとあるし、テーマがあるので、そのへんの作品とは違うってのが観て頂ければお分かりのはず。

フリークスたちが出てくる見世物小屋が物語と絡んでいく訳なんだけど、そこでのメッセージは生半可なものではなく(当たり前なんだけど、善も悪も共に描いているところが良かった)、否応なしに機能している辺りが良かったし、終焉へ至るまでの展開も良かったと思いますね。

不必要なところで美女が脱がされるわ、差別的な表現が気になるわ、ヴィランの立ち位置というか結局そこかよみたいなところがあったりと気になるところがあったのは確か。
製作された年代もあるけども、今の感覚でみると引っかかりを覚える方はいるかもしれません。

とはいえラストのカタルシスは秀逸だし、着地もお見事ではないでしょうかという感じなので、人もだけど見た目で判断なんてできないし、すること自体がナンセンスだし、それは映画も同じであると感じた作品でした。
てっちゃん

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