きまぐれ熊

スーパーサイズ・ミーのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)
3.6
ご飯作ってる恋人がヴィーガンだし、若干の偏ったイデオロギーをそこかしこに感じるものの、かつての黄金伝説とか電波少年的な無茶振りバラエティとして見れば笑いどころもあるし面白かった

肥満症の女性2人が起こしたマクドナルドへの訴訟が退けられた事を切っ掛けに、肥満の原因が本当にマクドナルドにあるのかを検証しようというドキュメンタリー

一ヶ月マックだけで生活する事で健康の変化を調べるという企画で、言ってみれば当たり屋的な内容ではあるんだけど、ルール設定が上手い
秀逸なのは開始前に複数の医師の協力を取り付けて健康である事のお墨付きをもらってる点と、スーパーサイズを勧められたら断れないってルールの2点

もちろん栄養素的な偏りはあるだろうけど、問題は量よ
スーパーサイズ、でけーんだわ。デカすぎ。
コーラ一杯で600-800カロリーて。それだけで一食分やないかい。
マックがどうとかってよりこんなサイズが社会的にまかり通ってたことが問題っすわ
そしてそれを勧めてくるマック店員
マックを毎食食べることの是非より、どう考えてもオーバーカロリーが問題でしょ
アメリカンなスーパーサイズ文化自体がヤバいんだなって事は火を見るよりも明らか
なのでタイトルというか、テーマの切り取り方自体には鋭いセンスはあると思うのよね

笑えるのは開始前は先生たち、「太るだろうけど太ったら野菜を食べれば治るよ、ハハ」みたいなテンションだったのに、中盤で体調を崩したあたりからから「そろそろいい加減にせぇ」ってマジトーンで実験を中止するように怒るところ。超リアリティある。

そしてそれでもマックを食う監督。
笑っちゃいけないんだけどシュール芸として完成しててめっちゃ面白い。

その苦労の甲斐あってかなくてか公開直後にスーパーサイズは消滅してるんですよね

こういうドキュメント系の中ではユーモア強めで面白く見れました

中盤でサラッと取材してたけどファストフード会社が運営してる明らかに栄養素が偏った給食が一番の闇。嗜好品としてのマックは各々の付き合い方次第だけど、育ち盛りの子供に給食として食べさせるのは話が違うぞ。むしろこれ一本で作れるんじゃないのか。
きまぐれ熊

きまぐれ熊