たつなみ

スーパーサイズ・ミーのたつなみのレビュー・感想・評価

スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)
3.5
30日間、朝昼晩の食事を全てマックにしたら人体にどんな影響が出るか?を追う”人体実験ドキュメンタリー”
観終わった後、ファーストフードが恐ろしく見えてくる。

現代のアメリカにとって、ファーストフードや加工食品はもはや日常生活に欠かせない存在になっている。
大きな問題はそれらが『欠かせない存在』になってしまっているアメリカ社会の構造。

強大な力を持った食品メーカーが完全に行政にまで介入しているので、公立の学校内にジュースの自販機があったり、給食にジャンクフードが普通に出たりする。
ここの件は心底ゾッとした。

企業が儲かればそれでいいのか?
結局はそれがアメリカ国民の首を絞めることにつながるというのに…。
資本主義の矛盾と、それでもジャンクフードをやめられない人間の愚かさを感じた。

最初はウキウキで実験を始めたモーガン氏だが、中盤あたりから体調が徐々に笑えない状態にまで悪化して行く。
終盤近くはもはや痛々しい位だった。

街角の人たちに星条旗の理念を聞いたらうまく言えないけど、ビッグマックのキャッチコピーを聞いたらスラスラ言える…というシーンは実に象徴的で面白いシーンだった。