雨丘もびり

コピーキャットの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

コピーキャット(1995年製作の映画)
4.3
完璧と呼びたかった....って悔しくなるくらい、粗いけど魅力を感じる作劇。
とっても面白かった!観て損は無いよッ。

あのSEはこの映画の音楽だったのね体験(略:あは体験)も楽しめる映画。
ドン!ぎょえん?ぎょえん??
ドン!ぎょえん?ぎょえん??ぎょえん???(伝われ)。

最初の講演会場で、シガニー軍曹から"犯罪者予備群"扱いされる白人青年たち、それぞれの多様な表情が実に見事!名シーンですわ。どうやって演出したんだろ。
なんでミサンドリおばはんって赤好きなん(?▽?;)。

もう一方の主役。
Easy goingな刑事コンビが醸し出すガサツさにニヤリ。
信頼できそうでできないwあやういバランスがチャーミング♪

パニック障害の発作描写(めまい)も迫真過ぎて気持ち悪かった。
私も過呼吸おこす前の「あ、やべぇな」ってときはあんな感じ。で危機回避で対処する的な。

物語を進める主役たちが、頼もしさと危うさを持った等身大の人間として描かれていたから、すっごく引き込まれました!
そう、犯人も然り。


.....言いたいことは、無くはない(T_T;)
警察機構が無能すぎるのと、主人公たちの通過儀礼(何かを失って強くなる)があんま物語に関係なく弱いことと、サスペンスとして穴が目立っちゃうことと、いくつか浮かぶけど、
私はクライマックスで、もっと犯人を言葉で苛んで欲しかった(黒笑)。

「ほらまた!また失敗した!親がいなけりゃ何もできない無能な坊や!そんなだから誰からも相手にされない!一生無視されるのよ!あんたは無能!いつまで憧れても絶対男になれない!叱ってやる!叱ってやる!」
くらいは頂きたいわ。メコメコに心を折ってやればよかったのにー。


クライムサスペンスとしてはツメが甘いところもあるけど、
それでも失速しないストーリー運び、捨てがたい魅力に満ちた興味深い作品。
映画を分析吟味するのに、良い教材となりそうな一本でした。楽しかった!