よーだ

コピーキャットのよーだのレビュー・感想・評価

コピーキャット(1995年製作の映画)
4.0
サンフランシスコ市警の刑事Monahan(Holly Hunter)と、屋外恐怖症・パニック障害を抱える犯罪心理学者のHelen(Sigourney Weaver)が、実在したシリアルキラーの手口を模倣する連続殺人犯《模倣犯=コピーキャット》を追う。


"連続殺人犯の9割は20~35歳の白人男性"
劇中で模倣される殺人事件は実際に世間を震撼させたものだという。フィクションであってほしいと思う程惨たらしい。


非常に重たい題材ではあるが、脚本と演出が上手い。物語の序盤と終盤、白を基調としたトイレの中で、真赤なスーツに身を包んだHelenがワイヤーで吊るされるシーンは特に印象的。数多く登場する事件に埋もれないインパクトがある。

Reuben刑事(Dermot Mulroney)の退場も趣向が凝らされている。コピーキャット事件とは全く関係ない所で、勾留中の少年にドーナツを勧めたところを人質にとられる。善意の市民が突発的に犯罪に巻き込まれる事を示唆しているようで印象深い。
このシーンでのMonahanの対応が、ラストシーンで決着に絡んでくる所も良い。


屋外恐怖症のHelen目線で廊下が歪むシーンや、部屋に何者かが侵入した痕跡がある演出も程よく気持ち悪い。

出番は少ないものの、Helenを付け狙う凶悪犯Daryll(Harry Connick Jr.)の存在感。ヘラヘラした風だけれど、こいつが一番怖い。


最後の最後まで"犯人"に先手を取られる警察。実際のシリアルキラー捜査も後手に回ってしまっていたんだろうなぁ。犯人が誰かを推理するプロットではなく、犯人を序盤から提示していることで、翻弄される警察機構への皮肉を表現しているようだった。
よーだ

よーだ