湯っ子

フリーダム・ライターズの湯っ子のレビュー・感想・評価

フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)
4.5
なんと過酷な環境に生きている子供たち…彼/彼女らは自ら語るように、戦場に生きているみたいだ。「友達を庇って死ぬなら名誉」と発言する子がいる。武士道やら騎士道と同じ考え方。現代の法治国家にいるはずなのに。

エリン先生の情熱と行動力、生徒たちを信じる心、太陽みたいな明るく楽しげなエネルギーが本当に素晴らしい。初っ端から生徒たちに人気の2パック(もう亡くなってるんですね)をかけたりして、「ババア、イタいっつーの」みたいな冷たい視線にもめげずにノリノリ。ここでちょっとひるんだり様子をうかがうような表情を見せちゃうとぜったいバカにされるよね。反応が悪くてもやり切るって大事だ。仏頂面してたって心の中ではとっても楽しかったり嬉しかったりすることってあるもの。

音楽はヒップホップが多用されている。私はこれもすごく良いと思った。この映画の視点はストリートにいる子供たちサイドにあると感じた。

過酷な環境の中でもがき、変化を求め、自らと戦う子供たちの様子には、家でひとりで観ていたこともあり、何度も嗚咽してしまった。
大好きなのは、一時はギャングになって家を追い出されたこともある男の子が、あるご婦人のエスコート役を買って出るところ。

パパとの関係も良かったな。初めは心配から教師をすることに反対していたけど、エリンの情熱と信念を認める。
夫には彼女を受け入れられるような度量が足りなかったね、悲しいかな。RBGの夫君のような人は、やはり稀有な存在なのだと思う…

ヒラリー・スワンク素敵だった。「ミリオンダラー・ベイビー」でもとても良かったし、ほかの作品も観てみたくなった。敵役のベテラン先生を演じたイメルダ・スタウントンはハリポタでも全くおんなじような役やってたな。


本作をおすすめしてくださったgenarowlandsさん、はるさん、ありがとうございました!
湯っ子

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