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JAWS/ジョーズのyksijokiのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
3.8
ジョン・ウィリアムズ先生のお仕事ぶりが凄まじい。冒頭からラストまで彼の創り出す「ジョーズ」の世界が広がっていた。あの有名なフレーズはもちろん、全体的に不穏なトラックと不自然なぐらいに明るいジュラシックパーク的なトラックとが入り組んでいて素晴らしかった。音楽で2割怖さ増していると思う。

中盤まで「ジョーズ」そのものを画面上で見せないのはホラー映画なんかである技法に近いのだろうけれど、映画内で主人公がサメの専門書を読むシーンの中でサメにやられるとこうなるという「写真」が出てきてそこで恐怖感を煽るという方法には驚いた。雑に腕を引きちぎった画をマネキンやCGで作られるよりもその恐ろしさが伝わってきた。

ストーリー自体は若干間延びしているようなところもあり、クイント登場以後も若干退屈な時間は続く。ここは確かに退屈ではあるが「いつ奴が出てくるかわからない」「出てきても多分敵わない」感じが徐々に伝わってきてこいつはどうしようもないなと見ているこっちも思わされるので大事な演出なのだと思う。

フーパーの語らずして語ってくる笑顔がすごく印象的。ちょっと気持ち悪いけれど、セリフなしで言いたいことを伝えてくるのでこれが台本ならかなり演技力が求められていたのではないかなと。

ホラー的な驚かされる演出は想像していたよりも少ないけれど、あのフレーズとの組み合わせでかなり恐怖感は煽られる。ジュラシックパークでもあったけど閉塞されておそらく安全であろう場所に対してパワーでもってそこをこじ開けられる場面はやっぱり怖いなと思った。こちらも「さすがにそれは破られないでしょう…」と思い込んで見ている分ハラハラさせられた。
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