カテリーナ

JAWS/ジョーズのカテリーナのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
5.0
「おい、何曜日だ」
「水曜いや、火曜日かな」この台詞を聞いていつも安堵する
町山さんもご指摘の断末魔のあの低い唸り声が美しいハープの旋律に混じって微かに聴こえた大袈裟に咆哮しないのが上品
ジョン・ウィリアムズは 時に悪に寄り添い
虎視眈々と人間を狙う人喰い鮫
クイントやフーパーや、ブロディとの
人間対巨大人喰い鮫の闘いに流れる曲は躍動感を醸し出す 背中に打ち込まれた銛の先に黄色い樽を3つも引きずったまま海底に潜ってしまう フーパーが不可能だと 茫然と呟く その力を讃えるかのようだ

アメリカ人特有の相手を見下して 足の引っ張り合いを繰り広げるやりとりには少々辟易するものの 3人で酒を煽りながら 自分の傷を自慢し合い 相手を知り 他者を受け入れる場面に効果的だった
ここでのクイントの独白はいつも聞き入ってしまう その逸話はクイントいう男の精神力の強靭さや悪運の強さも窺える
にも、関わらずである

ここに、スピルバーグの意地の悪さを良い意味で 感じる
誰が生き残って 誰が鮫の餌食になるのか

前半の鮫の視点で獲物を追いかけるカメラワークのサスペンスにも スピルバーグの
底意地の悪さをとことん 食らう
犠牲になる少年の下りは
何度見ても慣れない

これからも繰り返し見るであろう
私の映画鑑賞の原点となった
名作中の名作である
カテリーナ

カテリーナ