シュウ

JAWS/ジョーズのシュウのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
4.4
サメ映画界のレジェンドオブレジェンドな映画。
バランス取るとか言ったそばからこの有り様。
午前十時の映画祭で取り上げられたのはありがたいけど、朝10時から観るようなもんじゃないとは思う。

独立記念日を間近に控えた海辺の田舎町アミティ島。
殺人事件などは当然、事件などめったに起こらない平和なこの町で、浜辺に女性の死体が打ち上げられる。
何かに体の大部分を食いちぎられた酷い遺体を見た町の警察署長のブロディ(ロイ・シャイダー)は、これをサメの仕業だと考えた。
そこですぐさま浜辺を封鎖しようとするが、そこにボーン市長(マーレイ・ハミルトン)たちがやってきて、観光は町の一大産業であり、観光客の書き入れ時であるこのシーズンを無駄には出来ないと封鎖をやめさせる。
納得はいかなかったが渋々従わざるを得なかったブロディ。
しかしその直後、またしても人食いサメが現れ、今度は子供が犠牲となるのだった。


ジョン・ウィリアムス作曲の超有名なテーマ曲と人食いホオジロザメというイメージだけが先行してて、みんな知ってるのに実際観たことある人はそんなにいない映画の筆頭候補なこの映画。
観てみたらパニック映画として素晴らしすぎると言いますか、2時間10分全く無駄なくダレずに、サメ自体の姿が直接映らなくてもしっかりと伝わってくる緊張感や恐怖。
かと言って、いざ姿を見せ始めるとそれはそれで絶妙な間を読んで出てくるからおっかない。
原作小説から細かくストーリーを変更し、サメも前半1時間は絶対に出さないという条件で引き受けたスピルバーグ監督だからこそ成せる仕事なのか。
今回は午前十時の映画祭で映画館で鑑賞したわけだけど、観てるこっち側にもその緊張感が伝わってきて、隣の人は声を上げて驚いてた。
むしろ自分はその声に一番驚いた。
実はめったにリバイバル上映されない映画で、映画館で上映されるのは聞くところによれば約35年ぶりだそうな。
ここまでの緊張感や恐怖感を持って最大限楽しめるのは映画館でしか無理ではないかとは思うが、またもう1度…というのは難しそう。

「恐怖の報酬」「ブルーサンダー」と続き、なぜか自分の中でロイ・シャイダー祭りが開催されてしまった。
アミティ島の警察署長ながら、元居たニューヨークの多忙とやるせなさに嫌気がさし、金づちなのに犯罪が少ないからという理由でやってきた彼は、それなりに仕事はするがどこか頼りなさげで事なかれ主義的。
まあそれも事件が大きくなっていっていくにつれて少しずつ変わっていくんだけど、前半はあんまり好きにはなれないキャラクターだった。
一方で海洋学者のフーパーと、サメハンターのクイントは思っていた以上に良いキャラクターだった。
インテリVS昔気質でまさに水と油な二人だったが、互いに傷を見せあうことで根の部分は同じ海の男なんだと分かりあうシーンがとても良い。
子供に絶対トラウマを植え付けてやろうマンなスピルバーグのおかげで、常に緊張が張りつめているから、こういった切り替えのシーンはすごく印象に残るし、それをうまく使ってクイントのキャラクターの掘り下げがすっとこっちの心に落ちてくる。
もう40年近く前の映画だけど、やはり名作として語り継がれるにふさわしいだけの理由がそこにはあるんだよなあと思い知らされた。

続編の方は3本とも観たことないけど、監督も変わってるのに1よりも面白くなりそうな気がしないし、そもそもここから続く物語っていうのは果たして望まれていたものだっただろうか。