matchypotter

JAWS/ジョーズのmatchypotterのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
3.9
もうこの作品ができたがために、この後何作のサメの映画ができたことか。スピルバーグ『ジョーズ』。

まず巨大人喰いサメ1匹。コイツの存在感のデカさ。いきなりサッと出さずに、なかなか出さずにどんどんどんどん見せずに大きくしてく感じ。

そして、出てきてもそのそこまで大きく大きく印象を持たせた演出を超えてくる図体と迫力と驚異のパンチ力。
結構始まって速攻で「人喰いザメだ!」騒ぎになる。でも、「お、あれか?」「それか?」「きたなっ!」、、、でもちがーーう!みたいな。

黒い影が、、、ヌーっとスイミング帽を被ったおっさんでしたーー!とか、
水着の女性、発狂ーーー!、、、下から男が肩車で担ぎ上げて水際バッシャーーン!わーい!とか、
マジでヒレが、、、子供が悪ふざけでしたーー!とか、
とにかく、オトリの数が半端ない。そして、実際「そういうことしてる紛らわしいやつ、いるよね」を使い、パターンの幅がすごいから、毎回騙される。
逆に普通過ぎる日常の画なので、その中で急に“マジのやつ”が起きるから、サメの脅威がとんでもなく近い出来事に感じる。
この演出力がこの作品の全てかもしれない。
もはや、この映画でそういう全てのパターンを出し尽くしたかも知れない。

で、そこから3人で小さな漁船で巨大ザメとの壮絶な戦い。リアル。ホントリアル。
この3人のデコボコ感も堪らない。なんでお前ら3人なんだよ、大丈夫かよ、でも、、、頑張れよ、頼むぜ、お前ら次第だぜ、みたいなトリオ。

少し古い映画だけど、それでもワクワクする漁師がらみの道具を駆使しつつ、バトル専用ツールもあって、ガジェット的なアレコレをあの手この手で矢継ぎ早に出して格闘を描くのでホント面白い。

それでも、ただの魚類なのにデカくて強過ぎるサメが圧倒されまくり、攻めてるつもりが防戦一方で追い込まれてく。どんどん手詰まりに。

それで最後のアレ。そこで満を辞して、思い出したかのように組み立てる檻。
そこまでの消耗戦からお互いタガが外れたかのようなある意味殴り合いみたいな大技同士を連続でぶつけ合う感じ。
プロレスのスリーカウント直前の死闘の如く。

そして、最後の睨み合いからの、、、。
巨大〇〇、モンスターパニックなど、数多ある作品の金字塔と呼ぶにふさわしい展開。良い。

今まで気付かなかったけど、あの浮きが刺さって、それを船で追いかけてる時は結構アップテンポの音楽がかかって、希望が見えて“倒せる”感を煽ってるのも良かった。
今までおぞましく、凄惨な圧倒的な自然の猛威を嵐の如く描いてる印象だったけど、色んな意味でそこかしこでエンターテインメントしてた。

やっぱりスピルバーグのこだわり、マニアック具合、撮り方、魅せ方がスゴいことが滲み出てると思った。
matchypotter

matchypotter