ろ

第十七捕虜収容所のろのレビュー・感想・評価

第十七捕虜収容所(1953年製作の映画)
5.0

「第十七捕虜収容所からは誰も逃れられない。生きたままでは。」

いやいやいや、めっちゃおもろいやん!
戦争映画なのかと思いきや、もはや”ワイルダーさんの映画”というジャンル。今作には出てこないのに、なぜかジャックレモン兄さんを思い浮かべながら観てしまいました(笑)

「博士の異常な愛情」ですごく好きだったあの曲がかかるオープニング、もう最高やん!と思っていたら、「ジョニーが凱旋するとき」という曲名なんですね!捕虜たちが力強く歌うシーン、鳥肌が立ってしまいましたよ!


第十七捕虜収容所に収容されたアメリカ人たち。
物語は2人の捕虜の脱走失敗からはじまる。
完璧と思われていた計画。なぜドイツ兵は知っていたのか。

「まさか、スパイがいる...?」

そんな中、ドイツ兵を買収するセフトン(ウィリアムホールデン)に注目が集まる。次第に疑いをかけられ、ついに…。


ピリつく捕虜たちが迎えたクリスマス。
小さなツリーにはオーナメントとして自分たちの認識票を、無造作に並ぶ二段ベッドの間で故郷に思いを馳せながら踊っている。

映画スター・ベティに憧れるアニマル、帽子に藁を挟み女っぽくしてみたハリー。普段からお調子者の二人が踊るシーンがもうおかしくって。
お酒もあってか、アニマルにはハリーの女装がベティに見えちゃう。ついには本気で口説きはじめ…(笑)

このユニークさと同時進行で、セフトンが本物のスパイを探るんですね。このスリリングなこと!ダンスする捕虜たちの間をすり抜けていくカメラワークはなんとも痺れるかっこよさです!


ふたたび全員の心が揃って、計画を実行するラスト10分。
この駆け抜ける爽快感がやみつきになりそうです!
ろ