らんらん

台風騒動記のらんらんのレビュー・感想・評価

台風騒動記(1956年製作の映画)
3.0
とある田舎町、富久江の役場では会議が行われていた
そこで、この度の台風の被害を装い、国から補助金をせしめるため愛町精神を発揮することが決定された
その内容はたいして被害もない小学校校舎を全壊したことにするため、突貫工事で叩きこわす!
そうしてる間に早くも大蔵省からの調査官がやってくるらしい、慌てた町会幹部たちは人違いで偶然町にやって来た佐田啓二を接待し始める、、、

ブラックコメディ風なてんやわんやなお話
言っちゃえば詐欺で国から補助金をせしめようとする町の上層部たち、大人の汚い世界を皮肉ったみたいな感じ
昨日今日の決定で校舎を壊すことを決定、泣きじゃくる子供達にもおかまいなし
補助金を得るためには上の役人や調査官への接待と実弾射撃、凄まじい愛町精神を見せつける

様々な登場人物が出てくるんですがメインはこの汚い町会幹部達に当たると思う
町長の渡辺篤、その夫人藤間紫、町会幹部で影のボス三島雅夫、その他永井智雄、三井弘次、加藤嘉、多々良純など
それに対抗するのが菅原謙次や佐田啓二、野添ひとみら

感想としては、、、面白くなりそうなんだけどそうでもない、長く感じちゃう
テーマとしては面白い、いいとこついてると思うんだけど映画としてはあまり、、、って感じ

それにしても天災にかこつけて私腹を肥やそうとするなんてのは今も昔も一緒ですねー
今でも震災詐欺とか、募金詐欺みたいなあるし、無くなることはない人間の性みたいなもんでしょうか

もっと面白く痛快にしてくれれば印象にも残るんだろうけど、これだと物足りないかなーって思う
町会上層部の汚さはいい感じ、特に三島雅夫のエキセントリックさは素晴らしいんだけど、それを覆す勢力が弱い、痛快などんでん返しを期待してるのにそこが弱い

出演者の豪華さから期待は大きかったんですが、見てみると期待はずれ感が結構
菅原謙次がこんなオドオド小心な役は珍しいかも、川崎敬三あたりならハマり役かも
野添ひとみは松竹時代の最後のほうの作品みたい、かわいいけど、、、特に語ることもないか、登場シーンで牛を引いて現れたとこの小声でヨイショって掛け声はかわいかった!
佐田啓二&桂木洋子にしても魅力は出てはいるけど、印象度はそれほどでもなく、そんなに重要な役でもない
佐野周二なんかは出番ほんの少し、顔見せ程度の出演

無駄に豪華キャストって印象、それを見れるのは楽しみでもある反面もったいない感、もっと活かせたんじゃないかなーみたいな
そして逆に名前のある出演者が多いからとりあえず出さなきゃ的な制約?みたいなのでこんなんになっちゃったのかなーみたいな気も

うん、テーマはいいけど、演出、ストーリー、出演者が微妙だと思った
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