とんちゃん

インサイド・マンのとんちゃんのレビュー・感想・評価

インサイド・マン(2006年製作の映画)
3.8
ブラックコメディ仕立ての銀行強盗モノ
ちょっとブラックなストックホルムケース
スパイクリー監督、主演デンゼルワシントン、クライヴオーウェン
他ジョディフォスター、クリストファープラマー、ウィレムデフォーと豪華脇役たち

マンハッタン信託銀行にダルトンラッセル(クライヴオーウェン)率いる4人組の強盗に襲われ籠城される。駆けつけたフレイジャー刑事(デンゼルワシントン)はこの籠城が意図的な何かを感じた。
フレイジャーの前に現れる信託銀行のケイス会長(クリストファープラマー)やホワイト弁護士(ジョディフォスター)が更に一層不自然さを感じる。

銀行強盗という題材で緊迫感もありながらそれ程重くもない。途中途中入る取り調べシーンがユーモアだったからか
それともフレイジャー刑事が真面目そうに見えて、実は錠プレイが好きだからか

この作品は「狼たちの午後」(主演アルパチーノ)をオマージュしているらしい。
また強盗犯とフレイジャーの電話でフレイジャーをセルピコと呼ぶシーンがある。このセルピコは実在した刑事の名前で、アルパチーノ主演で映画化にもなった。
更に後半フレイジャーの相棒が「マイケルコルレオーネの様に…」というシーンがある。マイケルコルレオーネと言ったらアルパチーノが「ゴッドファーザー」で演じた役名。

どうしてこうもアルパチーノで尽くされているのか???

この謎についてはネタバレ以降に







後半の展開が良く結構のめり込むもちょっと不満

ネタバレへ








この作品がわかりづらいと言われる理由の一つが映し出されている時間がわかりづらい。デンゼルワシントンが演じるフレイジャー捜査官による、人質もしくは犯人の取り調べを受けているシーンが前半から後半近くまでちょくちょく入ってくる。
途中で解放された人達と思っていたが
終わってみたら、この取り調べ映像こそが現在進行形で、他の殆どが回想シーンだった。
2回目から見ると面白い

このある意味狂言的な銀行強盗
誰の指示により誰が絵を描いて実行に至ったのか映し出されていない。
貸金庫392番の事、アーサーケイスとナチスの関係など、誰がどの様に知り得たのかも含めて経緯が欲しかった。
ラビのカイハム(だったかな)やダルトンの関係とかも


14万ドルの件が雑過ぎて入り込めない。
冒頭からフレイジャー刑事が麻薬の売人にハメられたという話になり、仕事も制限されている感じだった。
ホワイト弁護士&NY市長との密談で交渉カードに使われていたし、ボイスレコーダーでの録音も愉しませてくれた。
その割に軽くあしらわれている。
殆ど人がレビューにも触れていない程軽い。
余り意味の無さそうな取り調べシーンを流すより、14万ドルの件をもう少し丁寧に描いて欲しかった。濡れ衣を着せられたフレイジャーに同情したくなるくらい丁寧に描いて欲しかった。


強盗犯側にとって一番時間がかかったのは?それはトイレ用の穴掘りでしょう笑
でもこれ、別にポリタンクを用意して、そこで用を足せばいいんじゃないかな。臭う?フタ閉めれば大丈夫でしょ
あのトラップも無い配管に直接穴を開けた方が下水の臭いが直接来るので返ってキツいと思う。
それを考えるとポリタンクの方が合理的で良い。たったの一週間なので量も大したことが無いと思うし
ダルトンいやスパイクリーに直接言いたいわあ


アルパチーノざんまいの件
どれだけアルパチーノが好きななんだと思って「アルパチーノ ナチス ユダヤ」でググってみたら「ナチハンターズ」(2020)というドラマシリーズがヒット
アルパチーノがホロコースト生き残り役で、ナチ残党を捜し出し狩っていく話。
触りをちょっと観てみたけど、なかなか面白そうでした。
https://filmarks.com/dramas/8647/12350

え〜14年前にこの作品が出ることを予知していたスパイクリーは予言者?
信じるか信じないかは…