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インサイド・マンのoden8のレビュー・感想・評価

インサイド・マン(2006年製作の映画)
4.3
"全ての悪事は悪臭を放つんだよ。"
by ダルトン·ラッセル

犯罪は何処までいっても犯罪なわけで。美化なんてしたらあかんのやろうけど。たまに、何処かお洒落さを感じてしまう犯罪がある。何が違うかって、そこに知性があるかどうかなのかも。あるいは、罪を犯してでも証明したい"信念"がある場合かな。

この作品の良さって、まずは限られたロケーション。その中で繰り広げられる賢そうな雰囲気のやり取り。実際問題、手が込んでいるかと言われると…ミステリー好きなら思い浮かびそうという。そうなのよん、ミステリー検定3級ぐらいの僕でも程良い緊張感で楽しめちゃうんだよね。

実際に、この作品を初見の時には…なんて賢ちゃん映画なんだ!?って感極まったけど。冷静に観たらポーカーの様な騙し合いで。如何に陽動して相手の裏をかき、自分の手札を活かすか。確かに、そこには冷静な状況判断力と度胸がいるので高難度なわけなんやけど。賢さってそういうトコに感じちゃうよねん。

それを演じているのが、交渉人役のデン様と犯人役のクライヴ·オーウェン氏やから。その知的な雰囲気と渋さに痺れさせられるわけでね。
演出の魅せ方もお洒落感がビンビンなのよね〜。始まり方。デン様固定の周り早送りのシーン。突撃の想定シーンetc…etc…。
音楽もちょっと王道から外してて、独特な雰囲気を醸し出してくれているよね。
この作品自体が、物語の犯行の様に。鑑賞者を挑戦的な仕掛けで踊らせてくれるのですよん。

この作品に、鑑賞者が問われていること。
あなたには、富や名声にも勝る"誇り"がありますかえ??

"誇りこそ、最高の価値を持つものだ。"
by ダルトン·ラッセル

Cast(役者·キャラ) 4
Story(物語) 4
Architecture(構成) 4.5
Picture(画) 4.5
Acoustic (音) 4.5
23-45
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