Kamiyo

パルプ・フィクションのKamiyoのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.2
1994年”パルプ・フィクション”
監督.脚本.原作クエンティン・タランティーノ
原題""Pulp Fiction""。pulp(更紙)から
大衆雑誌の小説、三文小説を意味する。
1994年のタランティーノ31歳の時の作品。
カンヌでのパルムドール賞。アカデミー脚本賞を受賞

いやー、やっぱり面白い。タランティーノとの出会いがこの映画だったのは、なかなか幸せなことだったと思う。
ラストがトラボルタの最期、とならないところも
後味に貢献してます。
ハラハラドキドキするわけでもないし、感動で涙が止まらなくなるような話でもないし、突き抜けたメッセージがあるわけでもない。
低俗な会話と時折入れるブラックジョークの連続で全編通して無駄といえば無駄。
それでも目が離せない不思議な映画。
2時間半の映画ですが、それを全く感じさせない無駄話と
テンポの良い展開のおかげですごく観やすかったです。
時系列をごちゃまぜにしたタランティーノの集大成の
ような映画。

三つの物語が交錯しバラバラだったピースが一つになる。いかれたファンキーな登場人物たちを適材適所の役者が
演じ70年代B級映画のような映像
それに合ういかした音楽。オープニングを盛り上げるディック・デイル&ザ・デルトーンズによるサーフミュージック「ミザルー」(後に『TAXi』シリーズでも使用)や
クール・アンド・ザ・ギャングが歌うR&B「ジャングル・ブギー」など

ストーリーはボスのマーセルス(ヴィング・レームズ)を中心としたオムニバス
“バイオレンス”と“ゆる〜い”がまさかの同居。
ロサンゼルスの朝、ダイナーで馬鹿なカップルのパンプキン(ティム・ロス)とハニー・バニー(アマンダ・プラマー)が突然立ち上がりで強盗を企ててる
圧巻。開始5分でこの映画の世界に巻き込まれる。

ジャクソンとトラボルタのどうでもいい話、
ギャングのビンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)は組織を裏切った若いギャングの家を訪れ、盗まれたトランクを取り返し
若いギャング団虫けらのように彼らを殺して出ていく。

ジャクソンとトラボルタが殺しに行った相手の食べてた
ハワイアンバーガー食べてみたいなあ (笑)
ジャクソンがハンバーガー屋で長台詞を朗々と
吟うシーン。。。好きな場面

ボスの女ミア(ユマ・サーマン)とデートする
ビンセント(トラボルタ)の話が
一番スタイリッシュだが。。。どれをとっても最高です。

ミアの世話を頼まれたビンセントは彼女と2人で夜の街へ繰り出すが、ミアが知らぬ間にヴィンセントの持っていたヘロインを吸いこんで意識を失い狼狽するが、
ミアは運良く意識を取り戻し2人はこのことを2人の秘密にしようと誓って別れる。
ユマ・サーマンが格好いい!おかっぱ髪が似合ってる
酔っぱらいながらトラボルタとのツイストダンスが
最高です。。。。。
ユマ・サーマンが飲んでた5ドルのバニラ・シェイクを
食べてみたいですね。。?(笑)
ちなみに、ツイスト・ダンスシーンに流れるのは、チャック・ベリーが歌うR&Rのオールディーズ「ユー・ネヴァー・キャン・テル」。

ブッチのお父さんの形見の金時計の話
落ち目のボクサーであるブッチ(ブルース・ウィリス)は八百長試合を引き受けるが裏切って勝利を収め
恋人とともに街から逃亡を図るが
ブッチは第2次大戦に参加したひいおじいちゃんから代々受け継いだ金時計を大切にするあまりあんな可愛い恋人にブチキレて、危険な自宅に戻ってしまう。
ブッチと女性タクシードライバーの会話は小粋なやり取りで品格がありました。好きな場面です。

麻薬を吸いすぎたミア(ユマ・サーマン)が泡を吹いて倒れ、ビンセント(トラボルタ)が心臓めがけてインシュリン注射を打つ所。 。。。急に生き返るのでビックリ!
ボスのマーセルスが変態白人警官にケツにおかま掘られてるのには爆笑した
車内でビンセントの銃弾が後部座席の黒人の脳みそを吹っ飛ばす所。1発の銃弾にしては血糊が多すぎない?
2人ともジャツが血でベトベト、よく見るとジャクソンの顔に脳みその破片がこびりついている、マニアック度が伺われる。

トラボルタがユマを家まで送り届けて手洗いを借りている間、ひとり待ちのユマがトラボルタのコートを羽織りながらテープデッキの音楽に合わせて踊るシーンが、これまたユマを捉えたカメラワークに唸らされる。
ユマを追うならパンでも済ませられるところを、彼女の動きに沿って横移動していくカメラワークは、
もう、うまい!としか言いようがない。

久々に見てみて、ハンバーガーがまずそうなダイナーの安っぽさ、モンローのそっくりさんのいるレストランのインチキ臭さ、いろんなことが目が回るほどまぶしかった。
ヴィンセント&ミアの場面はよく覚えてるけど、ブッチの彼女がやけに少女めいていて、「私のお腹は丸くなくてセクシーじゃない」っていうのも覚えてる。
ダイナーをいきなり強盗する場面もよく覚えてるな。
パンプキンとハニーバニーってふざけた名前も。
ウルフ(ハーヴェイカイテル)の見事な指示も覚えてるけど、今見るとロバートデニーロっぽい役だな、という
印象。ハーヴェイカイテルなのに。

何がいいのかといえば、上手く表現出来ないのがこの映画の良さじゃないかと思います。
最初に観たときには、なぜ死んだはずのトラボルタがまた出てくるのかと悩んでしまったくらいだ(恥)。
冒頭のシーンが繋がった時は「おおー!」となったからこそ
もう一ひねり欲しかったなーとか考えてたけどそういうことじゃなく音楽みたいに感じて楽しめばいいだけ。
Kamiyo

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