ぐりんでる

パルプ・フィクションのぐりんでるのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.5
もし、脳のどこかの娯楽を司る部分に、映画によって快感を感じる器官があるとすれば、タランティーノの生み出す映画は、そこを直接刺激する特殊な映画文法を奏でているとしか思えない🧠

おれが始めて見たタランティーノ映画は「イングロリアスバスターズ」
当時学生で、友達何人かと映画館に観に行った。鑑賞後はみんな「何この映画?」「つまんない」「クソ映画」などと、そう言ってたかは忘れたけど非常に良くない感触だった。自分以外。

その場は愛想笑いで誤魔化し自分の意見は言わなかったけど、おれは1人確かな満足感、充実感のようなものを感じていて控えめに言っても面白かった🙂
これを機にタランティーノ映画に興味を持つことになったわけだが(イングロリアスレビューはまたSomeday…🍟)


今回は、パラサイトぱんちらの家族の影響で歴代パルムドール賞作品を見ようと思ったら…
このパルムフィクションってカンヌお祭りの最高賞、パルプフィク賞取ってたんだね!今更知ってびっくりックダルトン😆🏆
それで久々に見た

パルムドルション!
この映画って特別感情に触れるわけでもないんだけど、常に絶妙な高揚感を感じる。そして鑑賞後にもいい感じの余韻を引きずる事ができる。

冒頭に書いたように、脳の映画を楽しむ器官に、無条件にぶっ刺さる映画文法をタランティーノが作り出してしまったに違いない!!

一つ一つの描写やセリフに潜む、あらゆる映画への敬意や愛が、音符の様に連なり心地いいポップな曲になってるそんな感じがする。その元ネタなんか一切わからなくてもこれが面白い映画なんだと感じさせてくれる🍔それが映画文法の作用

映画って面白さを語るのにあらゆる要素を用いてロジカルに説明できるかもしれないけれど、この映画の面白さって、絵や音楽に対して抱く感覚に近いのかもしれない。歌詞とメロディが心地いいっていうアバウトなもの。もうこれは映画文法が優れているとしか言いようがない🍹
かなりクセのあるリズムなので好みが分かれるのは間違いないけど。


どストレートに描けばなんて事のない話なのに、時系列を崩壊させる事で、あらゆる場面に強制的に変な違和感を漂わせ、後で、あぁ〜そういう事ね笑と軽〜い納得感。そして、また見たくなる中毒性。その辺は「ロックストック&ツースモーキングバレルズ」でも同じような快感がある🔫


物語自体は、悪いことしたら報いを受ける。束の間の男の仁義。人生のやり直しという至極真っ当なテーマを描いているのもまた特殊な映画文法の重要な要素であるのは間違いない🥤

そしてなんかクセになるやりとりがとにかく多い。駄話の感じも今作は無駄感薄いけど、たまらンティーノ。こういうなんとも言えないけどいくらでも聞いていられそうな会話劇もこれまた映画文法の重要な要素なのは間違いない🚬


絶妙にダサかっこいいヴィンセント、絶妙な聖人気取りのジュールスを始め、絶妙すぎる登場キャラたちがこれまた最高。いろいろな場面の魅力を語り合いたくなるそんな映画🔫🚬🥤🍔🍹🍗


ちなみにその特殊な映画文法の極致は間違いなく「ワンポイムリ」であることは揺るがない


それで、
映画文法っていったい何?!🙂