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イースターラビットのキャンディ工場のtetsuのレビュー・感想・評価

3.0
イルミネーションの初期作品に興味が湧き、鑑賞。

イエス・キリストが復活したことをお祝いする祝日"イースター"。
そのマスコットである"イースター・バニー"一家の少年・E. B. は、キャンディ工場で生活をしながら、毎年、世界中の子供たちにお菓子を配っている。
ある日、ロックミュージシャンになる夢を諦めきれず、人間たちの世界へと家出してきたE.B.。
しがない職なし青年・フレッドと出会った彼は、様々な騒動を繰り広げるが、その裏ではヒヨコたちによる工場の乗っ取り計画が進められており……。

世界を代表するアニメ製作会社となった"イルミネーション"が『怪盗グルーの月泥棒3D』に続いて公開した第2作。

イルミネーション製作作品としては、唯一、アニメーションと実写が組み合わされた一作で、今となっては、かなり挑戦的な試みだったようにも思える。

そんな中、他の方のレビューを読んでいたところ、同監督の大ヒット作『アルビン /歌うシマリス3兄弟』に似ていると聞いて、納得。

確かに監督は『ガーフィールド2』→『アルビン……』→『イースター……』と立て続けに、その作風を貫いており、実際に本作も商業的な成功を収めていたようなので、会社としては手堅い企画だったといえる。

とはいえ、作品の感想としてはイマイチ……というのが本音。笑

人間世界へやってきたウサギのドタバタ劇とキャンディ工場でのバトルが物語の全てであり、内容はあってないようなもの。

親へ反抗する主人公コンビの自立や成長が描かれるわけでもなく、ふわっと「夢を信じることの大切さ」を説いて物語が終了するので、残るものはない(強いて言うなら、劇中歌「キャ~ンディちょうだい」 は頭から離れなくなるが)。笑

また、"アトラクション"重視のイルミネーション作品(第1作の日本版タイトルに『……3D』と冠しているのが象徴的でもある)としても満足度は低いため、今見ると、中々厳しい評価になってしまう作品ではあった。

しかし、その甘さや主演のジェームズ・マースデンさん(『X-MEN』シリーズのサイクロプス、『魔法にかけられて』の王子など)を含めて、当時特有のアメリカ映画な雰囲気を楽しめるのは趣深かった。

総じて、冒頭のユニバーサルロゴがタマゴ型(イースターエッグにちなんで)になっているシーンと、その後に登場するイルミネーションロゴで、ウサギの耳をつけたミニオンがキャンディでふざけるシーンがピークだった本作。

イルミネーションの歴史を知りたい方や、実写版『ピーターラビット』をより楽しみたい方(期待値を下げると言う意味で)、そして、デヴィッド・ハッセルホフ(見たら分かるが、その辺りも含め、『テッド』に近い手触りもある)好きには、必見の作品だった。

参考

第28回 LAの春をお届け! 全米大ヒット映画『イースターラビットのキャンディ工場』のすべてを先取り!!:LA発! ハリウッド・コンフィデンシャル|シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/page/A0002900
(イースターラビットについては、この記事が詳しい)

スーパースター、シマリス3兄弟が緊急来日!-さらには続編製作も決定!|シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/news/N0015210
(ちなみに『アルビン……』シリーズは3本の続編が作られることになった。)

Hop Theme Song/Soundtrack - I Want Candy - Official FULL SONG
https://youtu.be/Mc6fpTmsHDQ?si=qoB-5yDCeGKZCnQw
(頭から離れなくなった例の楽曲。笑)

I Want Candy
https://youtu.be/5OOcnPVdKrs?si=_O0oriInuqh8roG1
(原曲は1965年に発表された曲とのこと。こちらはそのオリジナルver )
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