pika

家庭のpikaのレビュー・感想・評価

家庭(1970年製作の映画)
4.0
アントワーヌ・ドワネルの冒険④
前作のコミカルさを踏襲しつつ、オマージュまでは行かないが様々な映画や友人たちの小ネタを随所に散りばめていたり、ドワネルの職業だったり、ドワネルが自伝を書いていることに対する妻の反応など、完全に娯楽作として振り切った前作よりはトリュフォーの自伝的な要素やファンの心をくすぐる内輪ネタが満載で、知らなくても楽しめるが知っていると倍美味しいというサービス精神と娯楽性が最高!

フランスから見た当時の可笑しな日本観に笑えるし、自分の作品である「夜霧の恋人たち」しかり「柔らかい肌」ネタ(ホテルと玄関の絵)も含ませてるのも愛らしい。

シーンひとつ取っても華麗にキメるセンスの良いコミカルさが魅力的で、表情やカットのテンポなど細かい部分にまで如何に観客が飽きずに最後までこの作品を楽しめるか、というのを徹底している演出が素晴らしい。
個人的にこれまでのシリーズで胸キュンだったドワネルの顛末に若干の不満があったが、ユーザーさんのレビューでトリュフォーの体験に基づく展開と知り愛らしく思えてきた。笑
pika

pika