さすらい農場

必殺仕掛人のさすらい農場のレビュー・感想・評価

必殺仕掛人(1973年製作の映画)
4.2
 はらせぬ恨みをはらし、許せぬ人でなしを消す
 いずれも仕掛けて仕損じなし
  人呼んで仕掛人
 ただしこの稼業、江戸職業づくしには載っていない

藤枝梅安先生は昼は貧乏人はタダで診てやる街の鍼医者
夜は金で殺しを請け負う怖い人…
静かなる殺気を込めて、必殺の仕掛け鍼が[盆の窪*]を貫く!(*延髄にあたる人間の急所中の急所)

[必殺仕掛人]は昭和47年から続く必殺シリーズの[原点]にして[特異点]
TVドラマ版の、魂を貫くトランペットと主演の緒形拳さんのイメージが強いけど、映画版の田宮二郎さんは池波正太郎原作に近いイメージ。
ゴルゴ13のように渋いです。
でも[全く殺し屋らしく見えない人]の裏の顔を描くのが[必殺]。
陰と陽のギャップこそが[必殺]のコンセプトなのです。


   (~_~ ; ) 興味あります?


ドラマ[必殺仕掛人]は好評だったものの、原作者の意向によりタイトルと原作クレジットが使用不可となってしまう。(作者的に毎週殺しの依頼があるなんて有り得ないんだって…)
よって、急遽タイトルとキャストを一新してスタートしたのが[必殺仕置人]
この作品から名キャラクター中村主水が誕生し、実質的な必殺シリーズが始まったのであります。

ドラマの世界で[必殺仕置人]がアヴァンギャルドに暴れている中、重厚なタッチで公開された本作。大胆にアレンジされたストーリーながら原作の魅力を十分伝えてると思う。この自由さこそ必殺シリーズの卓越した個性。
[仕掛人藤枝梅安]の歴代俳優(小林桂樹、萬屋錦之介、渡辺謙)はどなた方も味のある渋い面々で甲乙つけ難いけど、愛する[必殺シリーズ]はやっぱり別格なのです。