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ピンポンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
3.9
《スポーツの映画》、Vol.3。卓球①。

「実は初めてちゃんと観ました」シリーズ、でもある。

2002年、20年かぁ。
今や、貫禄があるベテラン俳優達が、ここで若々しく飛び立ってる。

あ、あれ、、、最後の子役、染谷将太、、、?え?
、、、今の係員、、、佐藤二郎?何か緊張してるの?
その、石野真子と山下真司の件、いる?
とか、そういう面白さもありまくり。

窪塚洋介、井浦新、大倉孝二、中村獅童、荒川良々が高校生役。
ある意味、めちゃくちゃ新鮮。
これはなかなか今でこそ観る価値が高まってるかもしれないと思える顔ぶれ。

こいつらが、卓球に命をかけてるかのような死闘を繰り広げる。スポ根。

飄々としてるけど、テッペン獲りたい窪塚洋介。
どこか冷めまくってるけど才能がハンパない井浦新。
その2人挟まれて努力の塊、大倉孝二。
ストイックな絶対王者、中村獅童。
、、、と、バラエティ枠、荒川良々。

そして、、、、20年前の映画だろうが、変わらない竹中直人。

憎まれ口叩きながら、高校生と対等に、寄り添ってくれるファンキーなオババ、夏木マリ。
この理想のおばちゃん像、最高。
こんなおばちゃんいたら間違いなく通う。

こういう人が周りにいてくれると、きっと自分が強くなれそう。
弱音を吐きたくなったら、こんなおばちゃんのとこに行って話聞いてもらいつつ、「しっかりやんな!」と背中押してもらいたい。

そんな、まっすぐ行きたい人に居場所を作ってくれる優しさ。堪らん。

前半はとにかく窪塚洋介のお家芸、変化球系のキャラクターに押されて観てるこっちがどんどん作品に染まる。

そこから、井浦新との独特の友情を経て、徐々にガチの卓球スポ根に。
真面目な卓球バトル、と言うより、マンガチックなインパクトとアクロバットな死闘。

これが、窪塚洋介はじめ、キャストの雰囲気と、作風とのマッチングがスゴい。

みんながみんなに刺激され、みんながみんな実力を高め合う。それぞれに思いがある。

才能、力、自己証明、野望、、、。
どれが正しいとかでもなく、違った色同士のぶつかり合いがとてもわかりやすくて、アツくなる。

そう、「あつが、なついねぇぇ!」ってこと。
そう、“I can fly!”ってこと。

インパクトがすごい割に切れ味も良くて清々しい。
濃いけどコッテリしてなくて、深みがある。

そして、夏木マリに会いたくなる映画。
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