わきお

ピンポンのわきおのレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
4.0
様々な感情が渦巻くストイックなスポ魂ドラマ

小さい頃から同じ卓球場に通っていた高校生のペコとスマイル。卓越したセンスを持つも実力を鼻にかけるペコと共に「卓球は暇潰し」と称しながらもスマイルも実力者となっていた。インターハイ予選が始まり、ペコはもう一人の幼馴染みで卓球の強豪校へ進んだアクマと対戦する。子供の頃から相手にもしていなかったアクマに対し、ペコはまさかの敗戦を喫しショックで卓球を辞めてしまう。一方のスマイルは卓球部顧問の小泉やインターハイ王者のドラゴンからも実力を評価されるが性格も相まってその力を見せようとさせず…
というお話。

おぼろげですが公開当時かなり話題になっていた記憶があり、いつか見ようと密かに温めていた作品です。いやー素晴らしい作品ですね。

才能、憧れ、重圧、プライド、挫折、嫉妬といった様々な感情が個人競技としての卓球を通して色濃く描かれており、総じて胸を熱くさせる物語であったと言えます。この機微は団体競技ではなかなか描けないのでは。個人対個人故の純粋な感情のぶつかりが、わずか6m×12mの空間に集約する様がかっこいいですね。特にクライマックス。

個人的にさらに好感が持てるのは恋愛要素がほとんどない点ですね。恋愛×スポーツという映画が散見されますけど、本来はこういったストイックさが部活のリアルな姿だと思うんですよね。卓球にかける思いが実直に描かれており清々しかったです。

圧倒的なカリスマ性を放つ窪塚洋介の存在感はさすがですね。また本格的にスクリーンに戻ってきてほしいところですが。

今度原作を読んでみようと思います。
わきお

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