竜平

ピンポンの竜平のレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
3.8
とある高校の卓球部に所属する友人同士の二人、星野「通称ペコ」と月本「通称スマイル」を軸に描く、松本大洋による漫画が原作のスポーツ青春映画。

まず原作がめちゃくちゃ好きな身として、メインとなるキャラクターの再現度が素晴らしいなと。ビジュアル面はもちろん、性格描写やセリフ回しまで。窪塚洋介なんかとくに、漫画からそのまま飛び出してきたかのようなハマり様。また作品の持つ空気感みたいなものも、原作にある良さに加えて映像になったからこそのポップさ華やかさなど、ちゃんと相乗効果が生まれてるなぁなんて。ただ、人物それぞれにある葛藤、ペコとスマイルを主としてのそれぞれの関係性、努力や才能や劣等感や、対比の効いたドラマなどなど、グッとくるような細部のエピソードが映画において省略されたり変更されたりしてるのは仕方ないことではあるんだけども、前述したように原作好きとして、ここはもっと頑張れたんじゃないかなと思ってしまうのが正直なところ。あれやこれはもっともっと深い設定があるのになーと、歯痒い気持ちになっちゃったりして。卓球の対戦シーンのかっこよさ、これはもうバツグン、CGとは思えない素晴らしさ。今作を初めて見た中学時代、まんまと卓球にハマってたことを思い出したってゆー。

久しぶりに見て、所々にある邦画っぽいまったり感が気になるのも事実。これはまったりと取るかじっくりと取るかってところ。好みの問題もあるだろうね。脇役としては部長役の荒川良々がもう最高。ほんの少し出てた佐藤二郎に染谷翔太、これは完全に今更ながら気づいた事実。劇中を彩りまくる音楽、SUPERCARによる「YUMEGIWA LAST BOY」も好き。うん、ちょいちょいケチをつけつつもたまに無性に見たくなる良き実写化作品。
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