叡福寺清子

フェーズ6の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

フェーズ6(2009年製作の映画)
2.0
病気で人類滅亡寸前,だから邦題はフェーズ6ってのは理解してあげる.妥当とは思わないけど.
クリス・パインが行動力のあるバカな兄貴役はちょっと珍しい.そして優柔不断な弟とそれぞれの想い人の計4人が兄弟の思い出の砂浜に到着するまでのロードムービー.
最後に虚無感を描きたいのであれば,それまでに他の感情を描いておかなきゃいけないんじゃないかな.
人類は滅亡寸前なので「生存をかけて戦う」という緊張段階は終了してるし,強感染性なので極力他者との接触を回避する傾向にあり,他者との関係性という観点では薄味である.実際感情が揺り動かされたのは最初の親子ぐらいだった.あとは途中のばーさん二人組はよく生き残ってこれたよな,と思ったが.いくら埋めようが焼却しようが死臭は凄まじいだろうに平然と呼吸してるし,マスクやラテックス手袋の扱いはこれまで生存できたのが不思議なくらい雑.ガソリンの心配はするけど飲食物や弾丸の心配はしないのも不自然.ラストに向けての播種が不十分だったり変だったりで,最後の虚無感は不発で結局何も残らない作品になってしまったのである.
クリス・パインの無駄遣い.それが本作の全てである.