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チェイサーのohassyのネタバレレビュー・内容・結末

チェイサー(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

立て続けに韓国映画に魅了された勢いで、未見の名作を漁る。
アシュラと同じタイミングで日本公開されている「哭声/コクソン」の監督の出世作ということだけれど、これもまた俳優がすごい。
特に殺人鬼役の人、あれ本物でしょ?

日本映画にはなかなか出せない埃と汗と臭いが、名作と言われる韓国映画には確実に存在する。
監督の全てをぶつけられている感じがたまらない。
これに比べると、アシュラの演出は熟練さと余裕のようなものが何となく見えてしまう。

ただね、 ※ネタバレます





歳をとってきたせいか、バッドエンドが辛いんだ。
能天気でご都合なハッピーエンドは誰も期待しちゃいないけれど、この映画のような叩き落とされ方はもうちょっと耐えられない。
セブンを観てアドレナリンを爆発させてた頃とは違うんだ。
娘役の子がまたすごい存在感で、だから余計にそう感じたのかもしれないけれど、観ながら思わず「勘弁してよ」って口に出してしまった。

歳をとると、だんだんとノンフィクションが好きになる。
何か重みというか芯のようにものをそこに感じているのかもしれないし、知的好奇心を満たされるのが気持ちいいのかもしれない。
でも同時に、ダメージも受けやすくなる。
例えばジェットコースターに乗ると、昔は平気だったのに今は体へのダメージが大きくて辛いのだけれど、案外メンタルも同じなんじゃないかと思う。
同じ強さのダメージでも、若い頃に比べて傷つきやすく、治りも遅い。

何の話かわからなくなってきたけれど、少なくとも1人の中年を傷つけるには十分な作品です。
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