mimitakoyaki

チェイサーのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

チェイサー(2008年製作の映画)
4.4
「1987」で対峙したキム・ユンソクとハ・ジョンウのバトルがこちらでも見られるとのことで、恐る恐る手を伸ばした本作、最高!おもしろい!怖い!

完全にハ・ジョンウにハート掴まれまして、ララランド見てからライアン・ゴズリングにしてた待ち受けをジョンウさんに変えましたがな♡

元刑事のジュンホが営むデリヘル店で働く女の子が相次いで失踪。
デリヘル嬢を奪還するために探し回るうち、ヨンミンという男にたどり着き、そいつに捕まったシングルマザーのデリヘル嬢の行方を捜し助けるためにガムシャラに追跡するデリヘル店長奮闘記です。

実際の連続猟奇殺人事件をモチーフにしてるとの事で、ジョンウさんが超絶ヤバいシリアルキラーやってて怖いんですよ。
デリヘル嬢が監禁された浴室の汚さと陰気さが、もう尋常じゃない事が起きる予感ムンムンで緊迫するのですが、そこにジョンウさんが純白ブリーフ一丁で登場!
怖い!怖すぎる!

変態加減がもうヤバいんです。
こんなに眩しく白ブリーフをはきこなせるのって、トニー・レオン様以来だと思いますよ。

それで、そいつが女性を襲うために使う武器がヤバい!
常軌を逸してて正視できない恐ろしさです。
白ブリーフ姿でですよ。
怖すぎるやろ!
こういう拳銃でバンバンするんでなくて、身近な工具で襲われるってのが韓国的だし暴力描写も容赦なしでとにかく残酷です。

そしてこの殺人鬼が、見た目大人しそうでどこにでもいそうな普通の青年風なのも不気味で、警察に捕まってからもあっさり自分から人を殺した事を話したりして、何考えてるか理解不能なサイコ野郎っぷり。
まさしく人間の皮を被ったケダモノのような存在で、それをジョンウさんが見事に熱演。

そして、対するキム・ユンソクがまたすごい。
命懸けで店の女性を守ろうとするのですが、はじめはあくまで手付金を持ち逃げした女を懲らしめてやろうくらいの感じで、心優しく正義感に燃えた真っ当な人物でもなんでもなく、なかなかのクズっぷりなのも良いんですよね。
それが、金のためでなくほんとにその女性や娘のために、坂ばかりの細い路地を全力で疾走する姿が熱い!

「あなた、そこにいてくれますか」では過去の自分と協力して元カノを救おうとする医師を、「1987」では梅宮辰夫のような大御所感あふれる公安の所長を演じていて、どの作品も同じ人とは思えないくらいの演技の幅に驚かされます。

ナ・ホンジン監督は「哭声」を見ましたが、今作がデビュー作とのことで、どこに持ってかれるのかわからない胸糞悪く気味の悪い話を撮る天才ですね。
「哀しき獣」もキム・ユンソクとハ・ジョンウだということで、こちらも見ないとです!

陰気で不気味な雰囲気で緊迫させるのに、ところどころ笑いも挟まり、それでいて容赦なしのバイオレンスにボンクラな警察と、韓国映画らしさも満載です。

最後の方でヨンミンはどうやって自宅に入ったのかが引っかかるところではありますが、とにかく2時間どっぷり引き込まれる怖くておもしろい作品でした!

94

2回目: 2018.10.12
95
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