イホウジン

パリの恋人のイホウジンのレビュー・感想・評価

パリの恋人(1957年製作の映画)
2.9
世界観がキレイすぎて、逆に気持ち悪い。

オードリーヘップバーンの魅了は存分に引き出されており、登場人物たちのダンスは見所。ストーリーも至ってシンプルであり楽に観れる映画でありながら、それなりに伏線回収みたいなこともしている。

ただ、ストーリー全体にどこか当時の知的活動に勤しむ若者を頭ごなしに否定している描写が多くあり、素直に楽しめる映画ではなかった。そして、否定はまだ良いにしてもそれを嘲笑するようなシーンが後半からは出始め、少々不快にも感じた。まあ純愛ラブコメであるのは確かなのだが、その「純愛」に過剰な排斥意識も潜んでいたのではと思う。
公開から約10年後にベトナム反戦運動が始まったと思うと、不朽の名作とは文字通り言い難いのかもしれない。
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