RAY

パリの恋人のRAYのレビュー・感想・評価

パリの恋人(1957年製作の映画)
3.8
フォローさせて頂いてる方々のレビューを読ませて頂いて鑑賞しました。


僕にとっては、まさに“眼福”と言う言葉がこれほどぴったりな作品は無いかもしれないと思う程、眼福でした。

フレッド・アステアとオードリー・ヘプバーンの共演。
これだけで内容云々のところは二の次になってしまいます。
実際、映画を観始めると、オードリーの美しさは観ているだけでうっとりしてしまうし、“本屋で働いている”と言う設定に、「誰が放っておくんだ」とツッコミを入れたくなる程です。
アステアに関しても、彼の姿、動き、表情、そのどれもがリズムである様で、決して顔はイケメンだとか美しいだとかでは無いにもかかわらず、オードリーが彼に惹かれて行くのも納得出来てしまいます。

もうひとつの眼福ポイントは、オードリーにとってこの作品が初のミュージカル映画だと言うことです。
元々、幼い頃からバレエを習っていた彼女にとっては絶好の表現の場であったのかもしれません。
中でも、妙に心を掴まれたのは彼女がコンテンポラリー・ダンスを披露するシーンです。
ダンス自体に独特の世界観があると言うのもあるかもしれませんが、彼女のそれは非常に印象的でしたし、魅力的でもありました。

もう一点眼福ポイントを挙げるなら、それは衣装やデザインの美しさです。
なんと言うか、ひとつひとつのシーンがアートの様でとても美しい。
もちろん、オードリーやアステアが絵になると言うのはあるのでしょうが、そのセンスの良さでオードリーやアステアの良さを最大限に引き出している印象を受けました。

忘れてはいけないのは、ケイ・トンプソンと言う大事な役者さんです。
彼女はこの映画の中で大切な役割を担っているのですが、中でも、その歌声は素晴らしかったです。
彼女にも是非注目して観て頂きたいです。

ストーリーに関しては、特筆する様な内容では無いのですが、オチの分かったラブストーリーも僕は好きだなと思います。


この作品を観る前に『哭声ーコクソンー』を観て荒療治をしたとレビューにも書かせて頂いたのですが、この作品は前向きになった気持ちをさらに前向きにしてくれる作品だと思います。
もちろん、ミュージカルそれ自体が夢や希望や勇気を与えてくれる事が多いのですが、この作品は“もう一歩”を与えてくれます。

僕にしては良い塩梅で映画を観る事が出来たなと思っています。

それもこれも、紹介頂いた皆さんのレビューのおかげです。
本当にありがとうございました。


観て良かった。
RAY

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