イチロヲ

生きるべきか死ぬべきかのイチロヲのレビュー・感想・評価

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)
4.0
ワルシャワでシェイクスピア劇を公演していた一座が、ゲシュタポの一員を演じることにより、レジスタンスの情報漏洩を阻止しようとする。ナチスによるヨーロッパ侵攻を背景にしながら、ポーランドの劇団員の暗中飛躍を描いている、コメディ映画。

「偉大なる反面教師」ことヒトラー率いるナチス党の内部を、「滑稽なもの」として捉えている作品。ナチス党員を翻弄していく過程がトリッキーに描かれており、正体がバレるかどうかのサスペンスも踏まえてある。

ナチスの連中をリアリズムで描かずに、あくまでもコメディの一要素として組み込んでいるため、ポップな爽快感を得ることが可能。なりすましネタ、勘違いネタをドライブさせながら、ぐいぐいとドラマを牽引していく。

英語台詞のアメリカ映画のため、言語面においてノイズが乗ってしまう側面があるけれど、「フットワークの軽さ、オフビートな笑いとはどういうことなのか?」の答え合わせをしてくれる。ヒジョーにゴキゲンな逸品。
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