垂直落下式サミング

生きるべきか死ぬべきかの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)
3.0
第二次世界大戦の真っ只中、ドイツに侵攻されたポーランド。ナチスのスパイが持ち帰った抵抗組織の名簿がゲシュタポの手に渡らぬように、ワルシャワの演劇一座が祖国を守るためナチの憲兵隊を出し抜こうと奮闘するコメディ。
ドイツ出身のルビッチが、徹底的にナチをこき下ろす。「ハイル・マイセルフ!」なんて言うわけねえだろ。
一難去ってまた一難と、常に愉快な飛躍をする物語は、当時としては緻密で精巧に練られた脚本なのだろうけど、今後の伏線となる重要な場面や台詞を何度も強調してみせるのに、そこ以外はわりと大胆に省略をしていく作劇の編集テンポが肌に合わず、少し退屈してしまった。
有名舞台女優を演じたキャロル・ロンバードは本作が遺作だという。享年33歳。美人薄命ということか。