いはやはスピルバーグの才能の幅広さには感心する。史実の歴史から戦争、SFにコメディまで、なんでも傑作にしてしまう。稀代の天才。
超有名な本作。イメージとしてはもっとシリアスな物語かと思っていたが、実際はロマンスコメディで、ものすごく見やすく、トム・ハンクスの安定なキャラと演技力で安心して見られた。
バカ真面目で誠実な主人公が、あの手この手で空港で生活していくさまが面白いし、自然でも世紀末でもない状況でサバイバル生活をするっていうのがなにより新鮮。
言葉が通じないということがどんなに不便か。言語が様々な齟齬を生むことを滑稽に描いているが、劇中に出ててくる薬の男のシチュエーションになれば、怖いことだ。
そして、911からまだ日が浅い2004年において、イミグレーションというのはかなり過敏だったと思う。故に、どんなものでも手厳しくなってしまう。非寛容になってしまうことへの警鐘のようにも感じた。言葉も通じず、どんな素性かもわからない。でも、触れ合うということがいかに大事か、決して癒えない恐怖ではあるが、それを超えて理解していくことが大事なのかというのを感じられた。
キャサリンゼタジョーンズがこの頃ピカイチで美人。
