桃子

飾窓の女の桃子のレビュー・感想・評価

飾窓の女(1944年製作の映画)
4.4
「鑑賞後のどんでん返し」

続けてフリッツ・ラング監督の映画を見たくなって鑑賞した。これも確かに昔見たことがある。でも、中身はすっからかん…
やっぱりサスペンス映画を見る条件は、ネタやオチをばらされていないことに尽きる。100%忘れているので条件は満たしていた。こういう場合は、自分の脆弱な脳細胞はありがたいなあと思う。見た映画の内容をすべて記憶していたらこうはいかない。←この部分はデジャブだと思いますが、気にしないでください。
最初から最後まで1度も止めることなく一気に見た。ディートリヒ様出演の西部劇とは大違い。同じ監督の映画とはとても思えなかった。まあ映画のジャンルも話の内容も全く違うから単純に比較できないんだけど…
レビューを書くにあたって解説を読んでビックリしたのだが、監督は原作を変更してあのエンディングにしたのだという。ま、まさか… そんな… 私にとって、この事実が一番のどんでん返しだわ~~(+_+) なるほどねえ、そういうことか。なるほどねえ… しつこいようだけれど、エンディングは映画にとってとても重要だから、これを変えるということは凄いことなのだ。世間に配慮して変更したのはわかる。でも、あまりの衝撃に見終わった直後はしばらく呆然としてしまった。サスペンスのエンディングとしてこれはあんまりだ。理不尽だ。後味が悪すぎる。ああ、でも大傑作サスペンスに間違いない。
サスペンスなので、ネタバレレビューを書けないのが辛い。だったら、ネタバレ設定にして書けばいいのだけれど、私の売りは「ネタバレぎりぎり」なのでそうもいかない(笑) 未見の皆さまにこの映画をおすすめするためには、絶対にネタバレは書けないのだ。
主人公のウォンリー教授を演じているエドワード・G・ロビンソンの絶妙な存在感が心地よかった。イケメンではないし小柄だしタラコ唇だし。ウォンリーは犯罪学の教授にしてはめっちゃ頭が切れるわけではない。だいいち、完全犯罪なんて無理なのよ。いつかぜったいにボロが出るんだから。とはいえ、ロビンソンはナイスキャスティグだと思った。ギャングの役をよく演じていたようだ。
ヒロインのアリスを演じているジョーン・ベネットという女優さん。たぶん初見なのだが、とても可愛らしい感じで好感が持てた。1933年版の「若草物語」でエイミーを演じているのか!これはなんとしても見なくては。この1933年版は動画配信サイトにはないし、宅配レンタルは常に誰かが借りていて順番が来ない。見たくて悶々としている映画なのである。
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