しゃにむ

エクスタミネーターのしゃにむのレビュー・感想・評価

エクスタミネーター(1980年製作の映画)
2.9
「貴様らには地獄さえ生温い」

首チョン、人肉ミンチ、人間バーベキュー、なんでもござれ血と狂気のバイオレンス映画。ゴア表現がなかなか強烈なので(最初だけ)鑑賞には少し気をつけませう。

うっかり者の五十路の父親にターミネーターを借りてきてと言って手渡されたのがエクスタミネーターでした。

試しに鑑賞してみたら…

((((;゚Д゚)))))))

ターミネーターだァ?寝言言ってんじゃねぇよ、ぬへへ(震え)

い、いきなり首チョンです。まるでバターを切るみたいに滑らかに首をナタで切り落とします。さらに爆発。全然銃声がしないのに次々と大爆発が起こり戦場は大火災。ガス漏れかよって思うような自然発火。戦隊モノの爆発シーンみたいに大げさに吹き飛ばされる兵隊がシュールです。これは並々ならぬ映画だなーと初っ端から確信しました。

ベトナム戦争の後遺症に苦悩するアメリカ人を描いた作品はタクシードライバーやランボーが有名。今作の主人公も帰還してからベトナムの悪夢から逃れられないやり場のない怒りを暴力で訴えるのは似てます。

こわもてポールマッカートニー風の主人公はベトナム戦争を戦いました。

ことの発端はベトナム戦争の戦友が街のチンピラに逆恨みされて二度と起き上がれない状態にされたことから始まります。

病室からシーンが切り替わると友人をリンチした輩の仲間がひとけの無い場所で手足を縛られています。対峙する主人公は、何処から調達したのか火炎放射器を携えています。ボウボウとビビらせながら拷問に限りなく近い尋問でチンピラのたまり場を聞き出します。

「畜生ども、頭を吹っ飛ばしてやる!」

チンピラ宅を襲撃した彼の手にはやはり何処から調達したのか疑問を抱くマシンガン。情け容赦なくチンピラを撃ち殺します。快感。

「お、お前は間違ってる!」

「間違ってるのはお前らだ」

どっちが正論なのかわかんねぇ…

「ベトナムに戻った気分だ。善悪もなくただ撃ったんだ」

時たま戦場の悪夢がフラッシュバックし彼の精神が蝕まれます。

まぁここまではいいのですがそれからがやり過ぎた感じです。あまり主人公に関係無い人までヒャッハーと成敗されてしまいます。勧善懲悪ならぬ完全超悪。世直しじゃァァ!

資本主義の豚。どうらや友人の給料を搾取していたようでそのことが主人公の逆鱗に触れてしまいます。拉致されて、目が覚めたら見知らぬ倉庫で鎖で宙吊り状態です。主人公が彼の真下に運んできたのはなんとひき肉機でした。金庫の暗証番号を聞き出します。宅にお邪魔すると猛犬に襲われ怪我をします。

てなことで処刑。

出荷よ〜

そんな〜(´・ω・`)

つま先から徐々に粉砕される光景は出来れば想像したくないものです。

それから何を思ったか、処刑人を名乗って世にはびこる悪党どもはオレが一人残らず処刑してやるとテレビに声明文を送りつける。

で、気分爽快なまま風俗店へ。連れられた嬢がサディストの客に半田ごてで火傷させられたことに正義の気持ちが疼いたのか、悪どいポン引きを生きたまま燃やして半田ごてマニアの変態州議員を射殺します。なんだかタクシードライバーみたいな展開です。風俗に行って正義云々語られても説得力ないっす。それに惨殺される程の悪人でも(小声)

次の標的はよぼよぼのおばあさんに強盗した若者グループ。倒れたおばあさんを介抱する親切な人からバイクを盗んで若者達を追跡して一人を射殺して残りを車を爆発することで皆殺しにします。ひゃー。

特に意味不明なのが人口呼吸器でやっと生き長らえている友人に人口呼吸器を外していいか?と尋ねるシーンでした。友人もイエスだと。そもそも復讐を始めたのは彼の為なのになぜ死なせてしまうんだ…

終わり方は強引な気がします。

ターミネーターを代わりに借りてきてもらう時はちゃんとシュワ印と説明しましょう。
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