このレビューはネタバレを含みます
幼少期の虐待による分裂症で、対象者を溺死させることで性的興奮を得る犯人スターガー。
精神世界に潜入して対象者の心に触れるキャサリン。その精神世界の耽美な描写が秀逸。
この世界観が自分のセンスとぴったりマッチした。
探してた被害者はFBI捜査官のピーターの閃きと行動力で発見するので、キャサリンの出る幕はない。
ぶっちゃけるとキャサリンは、こと被害者の発見という最重要事項に関しては直接的な役にはたっていない。でも、彼女はそもそもカウンセラー的な立場なので、その軸がぶれなかったのはむしろ高評価。
うっかりすると、素人が大活躍してFBIの面目丸つぶれという展開になりがちだけど、そうしないところにセンスの高さを感じる。
それでいて、この映画の肝ともいえる夢の中に入り込んで心に触れる、という設定もちゃんと活かされている。
犯人はド変態でその犯行を目の当たりにしたら犯人憎しの感情しか生まれてこないし、そういう対象として描かれがちだけどこれはちょっと違う。
幼い頃の虐待を見せられ、当時の少年時代の可哀想な犯人を目の当たりにして、ものすごく複雑な気持ちになった。
そういう意味ではハリウッド的ではない映画だったような気がする