はんそく負け

十誡のはんそく負けのレビュー・感想・評価

十誡(1923年製作の映画)
3.5
初めての長編サイレント映画となりました。トーキーに慣れていると、永遠と流れる同じ音楽やテンポをぶった切って入ってくる説明文に、思わず眠くなってしまうかもと思いましたが、本作は特撮にも凝っており、お話も十分に面白かったのでなかなか楽しめました。
本作はモーゼの十誡を映像化した時代劇パートと、それを教え込まれた兄弟が繰り広げる現代劇パートの2部構成となっています。第1部は特撮をかなり頑張っていて、かの有名な海が割れるシーンはリメイク版にも劣らない出来になっていると思います。またとにかくエキストラが多い上に、小道具やセットも凝っていてかなり見応えがあります。しかし残念なのは、第2部の濃さ故に無くても映画が成り立ってしまうことです。むしろちょっと長い映画なので、前半は無くても良かったんじゃないかなぁ、と思えてしまいました。続いて第2部、前述の通りこちらの方が個人的には楽しめました。十誡を誠実に守る兄と、信じようともしない弟の対比が非常に面白い!もちろん宗教映画なので弟が痛い目を見るのは予測できるのですが、そこまでの過程で様々なことが起こるので、結果が見えていても楽しめました。
確かに映像は古ぼけていてキツいところもありますが、その面白さは100年近く経っても変わるはずがありません。気になる方は是非!