旧約聖書の出エジプト記を典拠とした、モーセにまつわる有名なエピソード、出エジプトからシナイ山で主から十戒を授かるまでをまとめたスペクタクル映画。豪華絢爛なファラオの宮殿のセットや、作り込まれたイスラエル人たちの衣装や小道具、驚くべき数のエキストラの人や動物たち！映画の喜びに溢れた画面。海を割るシーンはいま観ても凄い。
ダイジェストのような感じでかなりテンポ良く進んで、開始数十分で海を割って石版を手にし出したので、尺余るのでは？と思っていたら現代劇が始まってびっくりした。
敬虔なクリスチャンの母のもとに十戒をたびたび聞かされながら育てられた、真っ直ぐな大工の兄と軽薄な弟。その二人の対照的な生涯を描いた現代劇で、旧約聖書の物語を見せられたあとなので着地点は初めから見えているものの、起承転結の結以外の部分で結構意外な展開もあり楽しめた。
ただ出エジプト記の映像化を期待していた身としては後半ちょっとダレたところもあったので、デミル監督自身が後年にリメイクした方も観てみたい。
