ぬーたん

イントゥ・ザ・ワイルドのぬーたんのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
2.7
原作は『荒野へ』ショーン・ペンが本に感動し脚本を書き自ら監督をした。
裕福な家庭に生まれ育ったクリス・マッキャンドレスは、大学を優秀な成績で卒業するが、両親の不仲や金で物ばかりを与えようとすることに反抗し、学資金を全額寄付しひとり旅に出る。
富を捨て家族に何も言わずに、たったひとり、広大なアラスカの原野で過ごした24歳の青年の実話。

主演したエミール・ハーシュは、役作りのために18キロも減量した。ハリウッドはこれ位の減量はもう当たり前で、俳優も受けた時から覚悟してるし、そうしなければ役は貰えないとも言える。
原作は未読だけどエピソードの内容は美化されてるのかな?原作に忠実だとしても本人が書いたものではないから想像もあるだろう。

若い時って世の中は不条理だくだらないって反抗したり、自分は何も要らない金も名誉も要らないって強がり、捨てたり(時には家族をも)そんな時期がある。(行動するかは別。今の若者はそんな熱さもなくなりつつあるが)彼は優秀なだけに度を越して、大自然の中に無知で無防備な状態で飛び込んでしまった。その賢い彼が大事なことに気が付いた時には…。

この映画を20代までの若い頃に観たとしたら、その向こう見ずな行動に羨ましさを感じ、気持ちを共有出来たかもしれないが、いかんせん親の立場で観てるのでそうは思えず、これは辛いだけの映画になった。何より苦しい作品だ。壮大な自然も旅の途中で出会う人々との交流もそれは良かったけど。

もしも彼が今居るのなら、この過酷な経験を1冊の本にでも書き、講演会でもして、自然をなめたらいけない、とでも警告するようになっていたかもしれない。何より人は孤独では生きていけない、家族や友人の有難さを痛感していただろう。幸せは分かち合うものだと。

Happiness is only real when shared.
ぬーたん

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