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イントゥ・ザ・ワイルドのNのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
4.0
いわゆる育ちが良くエリートである主人公が「本物の人生」を探し求めて旅に出る物語。今でこそ、「自分探しの旅」なんてのは容易く嘲笑されるし、旅に出たところで何も変わらないなんて風潮は無きにしも非ずだけど、そんなの実際やってみなきゃわからないじゃん!というのが青さだと思うんですね。近頃、この青さがない若者がとても多いと若者ながら思うわけで、だからこそその反発として「自分探しの旅」とか「よくわからないけど起業」みたいな若者がカウンターカルチャーとして発生するのだろうなと。
そう考えると、この作品の主人公はエリートであるかもしれないけれど、「本物の人生」を探すという意味では、まだまた人間として未熟なんだろうなと感じた。それは、先述した通り「本物の人生」なんて旅では見つからないし、目の前にないならどこかにあるはずと切望する思いが強ければ強いほど、目の前を見れていないからだ。しかし、それは同時に知性でもある。愚かさゆえの行動力は反知性という名の知性。
旅の描写が冗長に感じなくは無かったけど、必要最低限以上の描写があることでその分観ているこちらとしても受け取れる情報が多く、何度も観返して好きなシーンを見つけられるのでマイナス点ではないなと思う。
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