eulogist2001

イントゥ・ザ・ワイルドのeulogist2001のレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
4.0
幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ。まさにその意味でひとはひとりでは生きていけないのかもしれない。

大学を優秀な成績を残して卒業した若者が両親の不仲がトラウマとなり、既存の価値に背を向けるように荒野のアラスカの打ち捨てられたバスを拠点に自給自足の生活を行なって100日を迎えた頃、誤って毒草を食しこの世を去る。アラスカに行くまでにもバックパッカーをしながら様々な人生経験を積む。

そうしてたどり着いた結論。若くして気づいたのにその時には死を迎える。馬謖を食んでやっとの事で気づいた時に迎える死と果たしてどこが違うのだろうか。

分かち合う相手、分かち合い方、分かち合うべき何か。それらがうまく揃わない限り、幸福は現実とはならないとも言える。むしろそのどれかが噛み合わないと不幸を招き、さらにそれを子どもたちにまで背負わせかねない。そもそも彼はその犠牲になり旅に出た結果なのだ。まさに皮肉だ。

この作品を生きた後で、では自分の現実をどう生きるのかが問われる。

実話を元にしているだけによりシビアに深く足元を見ざるをえない。