フレスコの傘

タイガーランドのフレスコの傘のレビュー・感想・評価

タイガーランド(2000年製作の映画)
4.5
戦争映画は苦手なのだが、大好きなジョエル・シューマカーが監督をしているならば…と重い腰を上げて鑑賞した作品である。

本作は確かに戦争映画だが、戦地に赴く兵士たちの姿を描いた戦争映画ではない。1971年のルイジアナ州ポーク基地にて基礎訓練をみっちりと叩き込まれ、鬼軍曹たちからの罵声に日々耐える新兵たちの姿を描いた作品なのである。
そんな中、上官に向かって反戦的な態度を取り続ける新兵ボズは軍紀の抜け穴を利用し、苦しむ仲間たちを除隊へと導いてゆく。このボズを演じたコリン・ファレルの型破りな人間が大変魅力的なのだが、彼の存在を受け入れられるかどうかで本作の評価は分かれるだろう。「勇気なんて恐れの裏返しなんだよ」というボズの実直な優しさが良くも悪くも胸を打ち、強烈な印象を残す。

臨場感を出すために、名の知られていない役者ばかりを起用したスタイルと『π』や『レクイエム・フォー・ドリーム』の撮影監督で知られるマシュー・リバティークによる質の高い映像が非常にマッチしているのも素晴らしい。リバティークとシューマカーは『フォーン・ブース』、『ナンバー23』で再びタッグを組んでいる。

また、シューマカーの作品は監督本人による音声解説が面白いのでぜひ聞いておくことをおすすめしたい。「もしこの映画が皆さんを感動させたり、話や笑いのネタになったなら製作者として大いに満足する」これがシューマカーという映画監督なのだ。