matchypotter

ウォーリーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ウォーリー(2008年製作の映画)
4.0
久しぶりに観たけど、やっぱり面白い。

普通の人でもなく、ろくな会話もできないロボットの奮闘劇から、まさかこんなに色々伝わってくるとは。

PIXARらしい夢のある独自の物語。
人ではないものを擬人化するというか。

誰もが想像はすることだけど、具体的に鮮明に具現化して、こうだったら良いなみたいな、まさに夢の形に創り上げる。

最高の夢とロマン。

そして、少しだけ風刺というか、こんな感じで良いんですか?これが求めてる理想ですか?便利ってこういうことですか?みたいなちょっとだけ観てるこっちに考えさせるような置き土産をよういしてる。

地球が汚染されて、地球から飛び出して700年後。
人類はコロニーに逃げ込み、コロニー内でぬくぬくと何も疑わず、されるがままに、何の目的もなくただただ生きてる。

一方地球では、1体の意思を持つ、ゴミ捨てロボットが悠々自適に過ごしていたら、突然、自分とは違う洗練されたデザインのロボが空からやってくる、、、。

人間側では、めちゃくちゃわかりやすい風刺。
説教くさいぐらいに、「お前らこれでええんか?」を訴えてくる。

それを、シンプルな形でめちゃくちゃわかりやすく、ちょっとしたことで気付かせてくれる。

このロボとロボの出会い、向き合い。
もともと人と等しい感情や意思があるのか、今観ているこれはそれなのか?という興味から、それを飛び越えてくるというか、人間よりも人間らしく思えてくるというか。

この映画で描かれる人間とロボが、本来のあるべき姿とすれ違ってる。
ロボが人間臭くて、人間が無機質なロボっぽい方向に向いてる。

その人間の違和感、ロボの違和感同士が作用し合って、一周回って両方が引き立ってるというか、両方に魔法がかかってるというか、化学変化が起きてる。

ウォーリーとイヴァ、この2体のロボやりとりが本当に愛らしい。

見た目は完全にロボでしかなく、表情にもバリエーションがあるわけでもなく、単語をカタコトでしか話さないのに、人同士のコミュニケーションや気持ち以上に伝わってくる。

ちょっとスゴ過ぎるわ。PIXARの魔法が。
matchypotter

matchypotter