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浜辺の女のameoのレビュー・感想・評価

浜辺の女(1946年製作の映画)
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沿岸警備隊、騎馬隊員のバーネット中尉(ロバート・ライアン)は、戦時の機雷戦により負傷して以来、悪夢に悩まされている。彼はビル・ゲッジス造船所で働くイブ(ナン・レスリー)と婚約しているが、不安にかられ明日にでも式を挙げようと提案し、彼女はそれを受け入れる。

その後、日課のパトロールをしていると、海岸に打ち上げられた古びた難破船の前でペギー(ジョーン・ベネット)という女性に出会う。彼女はこの近辺で盲目の画家トッド(チャールズ・ビックフォード)と暮らしており、家に招待されるが様子が少しおかしい。

次第に明らかになるそれぞれの過去が入り乱れていく。



監督はジャン・ルノワール。1940年にフランスの戦火を逃れて渡ったアメリカでの後期の映画で、この後インドで「河」(1951)を撮り、またフランスに戻る。

71分と短めの映画なので、描ききれていない部分はあると思いますが、それぞれの葛藤は強く感じられましたし、自然描写や、悪夢、難破船、船上での争い、など目を見張る場面も多くありました。

ジョーン・ベネットはこの映画で初めて観ましたが、妖艶で存在感がありましたし、チャールズ・ビックフォードは最近観た「アンナ・クリスティ」(1930)では無骨で明快な演技をみせていましたが、歳を重ねたこの映画では悲哀のある屈折した人物を演じており、あらためて良い役者さんだなとしみじみ。
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