監督ヤン・ヨンヒ。
実体験を元に。
北朝鮮へ渡った在日朝鮮人家族の息子が秘密裏に一時帰国するお話。
全てを肯定して観ることは出来ない。
北朝鮮へ渡った兄は実は3人だったらしい。当時のインタビューなどを読むと、この映画を作った理由などなるほどで、背負っているものが違うのだな、と。
在日韓国人ではなく、在日朝鮮人。
彼らに与えられている自由の幅の狭さや過去の帰国事業、異例ではあるが病気の治療などで秘密裏に来日することもあったという事実。知らないことばかり。
"息もできない"のヤン・イクチュン、どこだった?って わからないほど。カメレオン。
井浦新も安藤サクラもいい温度だったと思う。薄いと書かれたレビューもあったけど、そして確かに劇的な何かが有るわけではない。
でも、リアルって意外とこんな感じよなー、と。
物語の全てに熱量があって、全てが劇的なわけではなくて、夢とか希望とかが驚くほどあっけなく終わることもあるって。
そんなことに対しての怒りの、悲しみの作品。
何も望めない環境での生きる術は、思考停止することなんだって。なんだか納得してしまった。そして、当事者たちの無力感が染みた。
映画として形にしたことに意義があるような気がするなー、とか。