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かぞくのくにのtontonのレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
3.5
在日朝鮮人の帰国者事業で北朝鮮に行った兄が25年ぶりに治療目的で帰国する。久しぶりの一家そろっての団欒。だが、そんな状況に北朝鮮という国の暗部がつきまとう。
っていう、監督の実経験も入った内容なんだけど、明確な北朝鮮という国の批判や、帰国事業を行った人間や会社などの批判もない。ただただ、家族の姿をうつし、それらを暗に批判するというか、批判せざるをえないものになっている。
カメラが超手ぶれしていたり、演出の面で物足りなさは感じるが、この作品でのARATA改め井浦新の演技は素晴らしい。
特に暗い部屋の中、当時「この世の楽園」と信じ帰国事業に参加させた父親との対話シーン。そこにある怒りを必死で抑える姿を長回しでとっているのだが、その姿が真にせまっている。その姿は北朝鮮で暮らすという事が感情を抑えるしかないものだというものでもあり、もうなんか美しささえ感じる演技でした。
あと主役の安藤さくらは、勿論の事素晴らしい。
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