ブタブタ

IZO 以蔵のブタブタのレビュー・感想・評価

IZO 以蔵(2004年製作の映画)
2.5
幕末4大人斬りの一人で最も人を斬ったと言われる岡田以蔵。
古くは勝新太郎氏、最近では佐藤健氏などが演じてますが。
磔の処刑となった岡田以蔵が怨霊と化し時間と空間を超えて様々な場所、様々な時代であらゆる剣士や敵と戦う煉獄或いは無間地獄を描く──と言う舞台設定は最高ですがいかんせん主役の以蔵(中山一也)がダメ。
チームオクヤマ製作と言う事で正直このキャスティングは単なる話題作りでは。
この中山一也さんて方はトラブルメーカーとして有名な方らしくて折角の主演映画を芝居が出来なくて降ろされて逆怨みで監督を刺したり倉本聡氏宅の前で切腹未遂をしたり(倉本聡氏と面識はなく倉本聡氏に発見され助けられたとの事)オーディションに落とされて黒澤明監督に暴言を吐いたり、と言う人だそうです。
ボロボロのマントに仮面を付けた以蔵の姿は特撮のダークヒーローみたいでカッコイイですが身体が何かぽっちゃりしててとても岡田以蔵に見えません。
とにかくこの映画はキャストが豪華で
宰相役のビートたけし氏はじめ信じ難い面々が恐らくはノーギャラに近い形で三池崇史監督・たけしさんの心意気に惹かれて出演してるみたいで、しかしそれが仇となり豪華キャストが現れては消えの繰り返しで全てが散漫としてて印象に残りません。
以蔵の時空間を超えた戦いに重点を置いてもっと話を絞ればもっとずっと面白くなってたと思います。

「位相空間」に集う権力者達、宰相(ビートたけし)将軍(片岡鶴太郎)学士(篠田三郎)黒幕(ミッキーカーチス)大僧正(長門裕之)官僚(岡田真澄)更には現代ヤクザのボス(松方弘樹)江戸時代のヤクザの胴元(安岡力也)ミカド(松田龍平)以蔵の妻(桃井かおり)以蔵の母(樹木希林)その他諸々二度とは実現しない超豪華キャスト。
それらを相手にあらゆる時空間を彷徨い血みどろの戦いを続ける人斬り以蔵ってこの設定と世界観ならボンクラ厨二病の血が騒がないではいられないのですがいかんせん中途半端な作品でした。
江戸時代の長屋に警察特殊部隊SATが現れて以蔵にマシンガンの雨霰を浴びせたり、逆に現代の夜の飲み屋街に御用提灯を持った捕手集団が「御用だ!御用だ!」と現れたり位相空間に現れる旧日本兵ゾンビ軍団とか、凄く面白いシチュエーションが沢山あったのでアクション(殺陣)をもっとちゃんとやってれば凄く面白い映画だったのにな~と残念でした。
ブタブタ

ブタブタ