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ゴジラ×メガギラス G消滅作戦のkatejinaのレビュー・感想・評価

2.7
設定だけならゴジラシリーズ最高傑作になれていたポテンシャルのあった作品です。

悪い点を挙げるとすれば、ざっくりとした表現にはなりますが低調な作品だったという印象。
作品全体ではイマイチな作りでしたがシーンそれぞれで観ると素晴らしいポイントが多々あります。

まず特撮パートから。
渋谷水没シーンは割と良かったです。
メガヌロン、メガニューラの凶悪さ溢れる生態描写も相まってメガギラスという怪獣は如何にヤバい奴なのかと観客に期待させる素晴らしい演出でした。

ただ主役のゴジラの演出が微妙。
メガニューラにたかられるシーンはもちろん、お台場での戦闘が冗長で薄味過ぎました。確かに製作当時のお台場は広大な空き地がメインだったかもしれない。しかし近くにはフジテレビを筆頭に壊すべき建物は多数あります。シリーズの過去作を観ても分かるように、そこに建造物があるなら有名無名問わずにお構いなく破壊してこその怪獣王ゴジラだと思います。空き地で害虫とドタバタして捏造建造物を巻き添えで終わり、というのは如何なものかと観ていて感じました。
ただラストシーンは今までの「また何かあるぞ」的ラストから、更にもう1段階踏み込んだ期待感溢れるラストに昇華したのは高評価です。

次にドラマパート。
ゴジラに単身飛び付くといったアクティブで魅力的な女性主人公は高評価です。恐らく×メカゴジラの家城茜のキャラ付けに影響を与えたのではないでしょうか。

ただ脇役は小物揃い。キャストはかなり豪華な布陣なのに。
特に不用意な少年に観ていてイライラします。シン・ゴジラの庵野監督の「物事の足を引っ張る人間は嫌いだから作品に出したくない」という発言に心底共感できるような引っ掻き回し様でした。

素人目線でも「ここをこうすれば良かったのに」と明確に分かる作品です。
裏を返せばそこがあまり気にならない人からしたらかなり楽しめる作品という事。
とにかく色々と惜しい作品でした。
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