10年以上昔の話、深夜にTVをつけると邦画をやっていて、いかにも昭和といった風情の汚い雑貨屋に少年たちがゾロゾロ入ってくシーン。
あ~こんな店はドテラ着て毛糸の帽子に眼鏡の原田芳雄が店主だったりするんだよな~とボ~ッと見ていたら本当に原田芳雄が出てきてビックリした記憶があります。
そのときはちょっとだけ見てチャンネルを変えたものの、「トカレフありますか?」「あるけど?」という少年と原田芳雄の会話が気になりつつも映画のタイトルすら不明のまま現在に至っておりました。
ところが最近偶然にその映画が本作らしいと知り、ついに遅ればせながらのフル鑑賞。
記憶では少年グループでしたが実際はそんなに幼くもなく皆20歳前後か。
でも今回観て主人公だったと知った松田龍平(当時20歳)は見た目も一番若くほぼ少年。
グループには安藤政信や池内博之もいましたが、当時の私は誰も知らなかったようです。
季節は夏で原田芳雄はドテラも毛糸帽もなしの半袖シャツ、店は雑貨屋じゃなく金物店。
私の記憶のいい加減さを物語っていますが、トカレフ云々のセリフは憶えていました。
本作、私の映画ブランク真っ只中の2000年代公開の作品で原作はあの村上龍。
そしてこのタイトル、主人公グループが昭和の歌謡曲が大好きな設定で、序盤からピンキーとキラーズの扮装で「恋の季節」を松田龍平以下が熱唱。ただ、他の昭和の名曲も登場しますが、タイトルの大全集と言うほどでもなく・・・。原作はどうか知りませんが。
で、どんなお話かと言うと、全く接点の無かったオタクな青少年グループと独身のオバサングループが、あるトラブルをきっかけに殺し合いを始めてしまうというシュールな展開。
そして妙に豪華ながらもアンバランスなキャスト。
前述の若者グループに対するオバサングループは岸本加代子、樋口可南子、森尾由美、細川ふみえ、鈴木砂羽、内田春菊と錚々たるメンバー。
オバサンといっても今から20年も前の作品で皆さん30~40代ですからそこそこおキレイ。
オバサンだとしても決してオバチャンという感じではありません。原作はどうか知りませんが。
チラッとしか出ない脇の面々もクセのある贅沢なキャスティング。
津田寛治と古田新太なんて同い年のハズなのに、津田は今と変わらず古田は別人級の若さ。
ラストはナゼか『太陽を盗んだ男』風?
今ひとつスッキリせず、結局一番面白かったシーンは原田芳雄の出演シーンでした。