ブタブタ

コックと泥棒、その妻と愛人のブタブタのレビュー・感想・評価

4.0
フランク・ハーバートのSF小説『DUNE』はホドロフスキー(未製作)デヴィッド・リンチ(失敗作)リドリー・スコット(企画のみ)と誰がやってもその壮大なストーリーと綿密に構築された世界感ゆえか上手く行きませんが、ピーター・グリーナウェイが撮らないかな~とこの頃思ってました。
『コックと泥棒その妻と愛人』の「泥棒」は傲慢かつ残忍な独裁者で、性的不能者、食い意地が張ってて品性下劣と完全にDUNEに登場する悪役・ハルコネン男爵その物で。
お話しも暴君に支配された世界の解放、革命と復讐を描いていて極めてミニマムな世界に戯画化された古くからある神話や寓話。
そこに徹底的に計算されたカメラワーク構図の美しさ、原色の世界とそこに蠢く人間の色と欲の醜さ。
ブランド物の衣装も高価な美術品も集まり過ぎて一箇所に有ると悪趣味かつ下品なドギツイ塊りにしか見えないって表現の現代美術でも見てる様な。
食、性、暴力、行われてる下劣かつ醜い行為も引いたカメラで全体として見ると全てが渾然一体となって抽象画というか一個の「絵」みたいに見える。
中世の宗教画が集まってジャクソン・ポロックの抽象画になってる。
みたいな感じでした。
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