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何という行き方!のumihayatoのレビュー・感想・評価

何という行き方!(1964年製作の映画)
5.0
何という行き方!
何という生き方!
何という逝き方!

タイトルと冒頭のピンク一色のセットで既に星5つ
テンションは下がって行くのかと思いきや、その後も口角がキュッと曲がるシャーリー・マクレーンの可愛い笑顔&七変化。更に大掛かりで楽しいセットと演出の嵐でラストまでテンションは上がりっぱなし。
ジーン・ケリーのダンスとミュージカルシーンに感動。

「幸せに必要なのは成功か金か愛か。」という現代では切って離せないテーマをここまで楽しく落とし込んでいるのもあっぱれ。ものづくりとはこうあるべきだなぁ。

男は「お金関係なくシンプルに愛する人と生きたい」と「成功して裕福になりたい。」というジレンマで苦しんでいるんですよ。
だってカッコつけたいじゃん。
愛する人に対して。
愛が全てとは言ってもさ。
プライドも世間体も考えちゃうしさ。
でも、やっぱり金持ちであれ貧乏であれ自分自身の持ち物じゃないものが手中に入ったところでうまくいかないんですよね。
望む望まないに関係なく。
成功をもとから持ち物の中として持ってる人もいるし、平々凡々を持ってる人もいるし、貧乏を持ってる人もいるんです。
「なんでみんな成功を人生の目的と思うんだ。」というセリフがなんとも階層が深いなと

それぞれの夫とのバラ色の結婚生活を、その時代時代で庶民が羨む映画の形式に例えた寸劇集もたまんなかったですね。
結局それって、庶民はわかってたというか。憧れというものを。
「シンプルに生きたい」というのも何かを見たり読んだりしたものの憧れであるし、その憧れを掴むということは「映画にあるような生活や俳優のような名声や成功を手に入れたい。」という憧れを掴むことと大差ないというか。
主人公たち以外の庶民たちは案外「憧れは憧れ」で生活を見れてたんじゃないかな。
映画を見て憧れて終わりに出来たんじゃないかな。
現代はそれ難しいね。

今年トップきたかも知れない
非常に楽しく、良い映画でした。
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