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ゾンビ/米国劇場公開版のGUMIのレビュー・感想・評価

ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)
3.7
ゾンビも人間もショッピングセンターが大好き。

ここでの人体は牛皮のように柔らかく少し伸びます。
そして、クリスマスに食べたいあのチキンのように何故か美味しそうにも見えてきます。


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テレビ局勤務の男女2人は人間のゾンビ化を報道する一方で、このままでは自分たちの身が危ないと判断してヘリで都市から離れることに。
知人のSWAT隊員2人と合流してゾンビから逃れて生活拠点を探す。

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「ゾンビは走らない」と、主張してる監督の作品。
最近のゾンビ映画をちょくちょく観させてもらってるのに創造主の作品を観たことがないので満を持して。

個人的に、ゾンビやヴァイオハザードものは今やB級に持ってこいな設定という印象ですが、冒頭の優等生っぷりに期待が高まる。真面目な映像づくりしてます。

密室空間でのゾンビ、駐車場でのゾンビ、GSでのゾンビ、商業施設でのゾンビ…様々なシチュエーションでのゾンビが詰まっている。
この場面設定自体の特許を取っていたら他のゾンビ映画は撮れなかっただろうと思うほど、今のゾンビ映画の基礎中の基礎が散りばめられている。



多くは避難先のショッピングセンターを活かしたシーン。ロケーション、ほぼショッピングセンター。
食料も何でもあるし広いし、生活するなら出来るだけ動きたくないもんね。
エスカレーターに乗せられたゾンビのシーンは印象的。

最初こそヒャッホーウ♪とショッピングセンターで豪遊する主人公たちだが、その満喫するシーンが何とも退廃的で…こうなると人間もゾンビも変わらない。
この場面はこの作品で唯一、間延びして退屈だと感じたところ。そう感じさせるのも狙い?


ゾンビ映画の元祖と呼ばれるだけに ゾンビそのものの凶暴性を見せつける内容かと思いきや、ゾンビパニックの状況下での人間たちの愚行が真面目に撮られている。
ゾンビ1体1体はさして強くはないのに逃げ隠れなければならないどころか、人間同士で争い始める滑稽さ…融通効かないし不器用。
メリーゴーランドに乗っている時にかかりそうな子供騙しな音楽が滑稽さを引き立てている。



これでゾンビの元祖を抑えたぞ!という気になったんですが、観た後に「ナイト·オブ·ザ·リビングデッド」の方が先に作られたということを知ったのでまだゾンビは語れない…
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